プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)中小零細企業の品質・生産性向上に係る能力強化プロジェクト
(英)Project for Capacity Development on Quality and Productivity Improvement in the Micro, Small and Medium enterprises

対象国名

ニカラグア

署名日(実施合意)

2019年7月10日

協力期間

2021年1月26日から2024年3月29日

相手国機関名

MEFCCA(家族・コミュニティ-・協同組合省)、UNI(国立工科大学)

背景

(1)当該国における民間セクターの開発実績(現状)と課題

ニカラグアでは、全国に約19,000の中小零細企業が存在し、全企業の99%以上を占め、雇用の約58%を創出している。ニカラグア政府は、国家人的開発計画(2012年~2016年)において、中小零細企業セクターの強化を経済戦略の主要分野の1つとして掲げ、中小零細企業の人材育成を通じて、生産の拡大・多様化に取り組んできたが、当該セクターの競争力強化は依然として課題と認識されている。
中小零細企業の低い生産性と競争力の原因としては、各企業はもとより、中小零細企業振興を担う家族・コミュニティ-・協同組合省(Ministerio de Economía Familiar, Comunitaria, Cooperativa y Asociativa:MEFCCA)を始めとする、中小零細企業支援を行う機関においても、企業の品質・生産性向上のための指導を行う専門的知識、能力を有した人材不足が挙げられ、中小零細企業に対する技術支援のための体制構築が課題となっている。

(2)当該国における民間セクターの開発政策と本事業の位置づけ

ニカラグア政府は、2008年に中小零細企業開発プログラム(Programa de Desarrollo de la Micro, Pequeña y Mediana Empresa, PROMIPYME)を発表し、公・民が一体となって、全国の中小零細企業への支援を実施する戦略を掲げた。2012年には、MEFCCAが創設され、それまで経済産業省が担っていた中小零細企業支援及びPROMIPYMEの推進機関として権利移譲を受けた。
同機関は、既存の中小零細企業の競争力を高め、新しい企業の創設を奨励することによって、国内の貧困レベルの削減、国民経済の成長と発展に貢献することを使命としているが、企業の品質・生産性向上のための指導を行う専門的知識、能力を有した人材が不足しているため、本事業を通じ、関連大学機関とも連携し、中小零細企業に対する技術支援のための体制構築を図る計画である。

(3)民間セクターに対する我が国及びJICAの援助方針と実績

対ニカラグア共和国国別開発協力方針(2013年3月)における重点目標として「経済の活性化に向けた基盤づくり」が定められ、中小零細企業含む同国の産業人材の育成を継続的に実施し、将来に渡る安定的経済・産業発展の基礎づくりを行うとしており、また対ニカラグア共和国JICA国別分析ペーパー(2016年2月)においても「地域活性化」が重点課題と分析されており、中小企業振興に係る技術協力等を通じて貧困層の生計維持・向上を図るとしていることから、本事業はこれら方針、分析に合致する。
またコスタリカの国立工科大学品質生産センター(現コスタリカ国立技術大学品質・生産性センター(CECAPRO)を実施機関として2009年から2013年にかけて実施された「中小企業の品質・生産性向上に係るファシリテーター能力向上プロジェクト」では、第三国研修の形態で15名のニカラグア人ファシリテーターを育成している。JICAは1980年代よりCECAPROへの協力を実施していることから、同機関にあるリソースを広域協力に活用したもので、本プロジェクトにおいても、CECAPROの人材を専門家として活用する想定である。

目標

上位目標

ニカラグアにおいて、中小零細企業の品質・生産性向上及び経営改善に関する支援が継続的に提供される。

プロジェクト目標

中小零細企業への品質・生産性向上に係るサービスを提供する体制が強化される。

成果

1.研修カリキュラム、研修スケジュール、研修材料を含むシニア・ファシリテーター及びファシリテーター育成のための研修プログラムが作成される。
2.新規のファシリテーター育成研修を実施できるシニア・ファシリテーターが育成される。

活動

成果1関連

1-1.シニア・ファシリテーター(及びファシリテーター)研修の受講候補の選定のための基準を設定し、設定された基準に基づきシニア・ファシリテーター(及びファシリテーター)候補を選定する。
1-2.(シニア・ファシリテーター研修の)OJTの一環として支援サービスを提供する対象企業を選定するための基準を設定する。
1-3.品質・生産性向上にかかるシニア・ファシリテーター研修用研修カリキュラムを作成する。
1-4.研修用教材を作成する。
1-5.シニア・ファシリテーター(及びファシリテーター)研修の受講者の能力基準を作成する。
1-6.育成されたシニア・ファシリテーターの育成/活用のためのアクション・プランを先導する研修プログラムを作成する(新しいシニア・ファシリテーター育成のための将来の研修プログラムの作成、研修プログラム実施体制、研修プログラム用の予算計画、関係機関間の協働体制)。

成果2関連

2-1.シニア・ファシリテーター(及びファシリテーター)研修を実施する。
2-2.シニア・ファシリテーター(及びファシリテーター)研修をレビューし、改善する。

投入

日本側投入

1.専門家派遣(CECAPRO)
2.第三国研修経費(コスタリカ)
3.プロジェクト用事務機材

相手国側投入

1.プロジェクト・ダイレクター
2.プロジェクト・コーディネーター
3.カウンターパート
4.執務室スペース等