プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクト
(英)"School for All":The project on support to educational development through community participation

対象国

ニジェール

署名日(実施合意)

2012年4月24日

プロジェクトサイト

ニジェール全国

協力期間

2012年5月23日から2016年5月22日

相手国機関名

(和)国民教育・識字教育・国語推進省

背景

(1)当該国における教育セクターの現状と課題

ニジェール国は、2003年10月に基礎教育のセクタープログラム「教育開発10ヵ年計画(PDDE)2003〜2012」を策定し、EFA(Education for all「万人のための教育」)達成に向けた取り組みを行ってきた。PDDEではアクセス、質、制度改善を柱として就学前教育の充実、農村部における教育サービスへのアクセス改善などに重点的に取り組んできた。

これらニジェール国政府の取り組みにもかかわらず、同国の教育指標は依然として低く、初等教育就学率は2011年現在76パーセントに留まっている他、修了率も49パーセント(2010年)と著しく低い。またPASEC(仏語圏アフリカを対象とした共通学力テストProgramme d' Analyse des Systemes Educatifs de la CONFEMEN)や国内標準テストの結果から、学習達成度が低いことも確認されている。他方ニジェール国の教育に要するユニットコストは他のアフリカ諸国と比較しても高額(約2倍)であり、対GDP教育予算は3.7パーセントと近隣諸国平均の3.4パーセントを上回り、公共支出に占める割合も27.8パーセントと高いレベルを維持している。教育セクターへの高いリソース配分にもかかわらず、高い退学率や留年率といった著しく低い内部効率(教育投資に比して教育された人材が輩出されない)および教育の質の問題を抱える背景には、教員の質や少ない授業時間の他、教育システムのマネジメントの問題が存在する。また、小学校への教育アクセス改善は一定の成果が見られる一方で、中等教育の普及が急務(就学率23.9パーセント)となっている。

ニジェール国はPDDE開始以降、教育セクターの地方分権化を進めるとし、学校運営委員会(COGES)の設立、制度化を進めてきた。JICAはこれまで「住民参画型学校運営改善計画(みんなの学校プロジェクト)フェーズ1」を通じてCOGES設置のモデル確立を、同プロジェクトのフェーズ2により、そのモデルの全国普及を支援してきたが、その結果全国の全ての小学校(約13,700校)においてCOGESによる教育改善活動が行われるに至った。学校レベルにおける教育マネジメント改善にCOGESが果たす役割は大きく、COGESはこれまでも学校活動計画の策定・実施を中心に、補習を通じた授業時間の確保や、コミュニティのリソース動員による施設改善など、教育改善に貢献してきた。これら取り組みを通じて、生徒の卒業試験合格率の向上などの成果が見られつつある。他方、予算や資機材といった教育開発に必要なリソース配分の分権化は進んでおらず、学校レベルで活用できる教育リソースは極めて限られている。教育の質とアクセスの更なる改善のためにはフェーズ2までに全国に確立されたCOGESを通じて学校レベルで活用できるリソースを拡大し、その適正な活用に向けたCOGESの能力強化を含む制度の確立が必要である。最終的な教育指標と学習達成度の改善に向けては、フェーズ2までに全国に確立されたCOGESを通じて、教育の質改善に資する取り組みのより一層の充実が必要である。カウンターパートである国民教育・識字・国語推進省は、州、県以下に教育事務所を設置の上、行政官を配置し、COGESによる活動を支援、モニタリングする役割を担う。

(2)当該国における教育セクターの開発政策と本事業の位置づけ

ニジェール国では、2005年に法令により全校へのCOGES設置が義務化され、2006年PDDE年次計画にてCOGES全国普及の実施計画が作成された。JICAは「住民参画型学校運営改善計画(みんなの学校プロジェクト)フェーズ1」を通じてこの具現化を支援し、その結果JICAが支援したモデルが2007年に正式なCOGESモデルとして承認されている。

現在PDDEを引き継ぐ2012年以降のセクタープログラム(2012〜2020)を形成中であり、2011年9月には、その戦略ペーパーの草稿が作成されている。次期セクタープログラムは基礎教育に加え、職業技術訓練、高等教育・科学技術研究を含む包括的なセクタープログラムを目指しており、1)教育分野における包括的な取り組みと教育制度の効率化(技術・職業訓練との一体性)、2)教育の質と効率性の確保、3)教育セクターの一体性をその戦略としている。次期セクタープログラムでも地方分権化による教育システムの改善が課題として取り上げられており、COGESを通じた教育改善は同国の政策課題に合致する。

目標

上位目標

住民参加型の学校運営を通じて基礎教育の質とアクセスが向上する

プロジェクト目標

ニジェールの教育開発(教育のアクセスおよび質)に向けて、COGESの学校運営の役割と能力が強化される

成果

1. 教育開発(教育のアクセスおよび質)に貢献するCOGESの活動が継続して実施される制度が確立される
2. パイロット実施対象地域において、リソース管理・運営のためのCOGESの役割と能力が強化される(なお、パイロット対象地域は安全管理上の制約を考慮の上、案件開始段階で先方政府と協議の上決定する予定)
3. 教育行政分権化において、COGESを活かした関連政策が策定され、実施される

活動

成果1

1-1. 州教育フォーラム開催の支援
1-2. 教育の質改善に貢献するミニマムパッケージ開発の支援
1-3. 中央/州/県各レベルにおける連絡会議およびCOGESモニタリング活動の実施支援
1-4. COGESモニタリング体制の評価
1-5. COGESモニタリング体制制度化に向けたセミナー開催支援
1-6. 中等学校における機能するCOGESとそのモニタリング体制の導入支援
1-7. 教員研修(プレサービス)へのCOGESモジュール導入への支援

成果2

2-1. COGESのリソース管理能力およびリソース管理・運営にかかる能力開発のニーズアセスメント調査実施
2-2. COGESのリソース管理能力開発のための研修モジュールの開発
2-3. COGESのためのリソース管理・運営研修実施支援
2-4. COGESによるリソース管理・運営活動実施支援
2-5. リソース管理・運営にかかる取り組みの評価実施
2-6. 教育リソース管理・運営におけるCOGES役割についての政策提言策定

成果3

3-1. PTFドナー会合等において、プロジェクト成果の広報、共有を行う
3-2. COGESを通じた教育開発に向けた政策・計画策定支援の実施
3-3. 中央レベルのCOGES施策実施のための能力強化支援

投入

日本側投入

長期専門家4名(COGESモニタリング、COGES能力強化、COGES普及(中等分野)、業務調整)、 短期専門家(チーフアドバイザー/教育アドバイザーおよび教育評価等必要に応じ)、モニタリング用車輌、事務用機器(コピー機、コンピュータ、プリンタ、電話/FAX等)、研修実施・マニュアル作成等にかかる費用、本邦/第三国研修経費

相手国側投入

カウンターパート人件費、プロジェクト執務室及び執務室維持経費、モニタリング経費