マンスリーレポート(2018年11月号)

2018年11月30日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、初等教育分野と中等教育分野、二つの分野にて活動しています。初等教育分野においては、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することですべての児童の“読み書き”と“計算”の基礎学力改善を目指す『質のミニマムパッケージ』の開発と普及に取り組み、中等教育分野においては、アクセス、格差解消、教育の質の改善など、様々な教育開発課題の改善に貢献する“機能する”学校運営委員会(COGES)モデルの全国普及を進めています。

「中等教育分野」では、昨年2017/2018年度に「機能する中等COGESモデル」普及の第一弾として、対象4州内の約960の中学校に“民主的な”中等COGESが設立され、対象全県をカバーする36の中等COGES連合が“民主的に”設置されました。その結果、昨年度各中学校では、補習活動、教材・教具購入、インフラ・環境整備など、平均9つを超す様々な活動が実施され、その投入額は平均約80万セーファー(約16万円)に上り、4州全体では、6億7千万セーファー(約1億3400万円)もの動員に繋がりました。さらに、立ち上がったばかりの中等COGES連合もまた、ほんの数カ月の活動期間ながら、平均約43万セーファーの資金を集め、県内統一模擬試験の実施やCOGES活動のモニタリング、不正防止や補習促進のキャンペーンを行うなど、各中等COGESの機能化支援に取り組みました。

このように、「機能するCOGESモデル」の導入で地域的な盛り上がりを見せた昨年度は、「機能する中等COGES」として、全般的に高いパフォーマンスが見受けられました。その一方、今後は、その機能性を維持・継続、そして持続的に発展させていくことが課題となり、さらに重要になってきます。その意味では、「機能するCOGES」導入の真価が本当に問われるのは、2年目となる今年であるとも言えます。そして、その「機能するCOGES」の持続発展性をサポート・強化する役割を担うのが、全州・県に配置されている行政官である中等COGES監督官であり、現在プロジェクトにて確立へ向けて取り組んでいる「中等COGES活動モニタリング」体制です。

そこで、今年度2018/2019年度の「中等COGES・中等COGES連合活動モニタリング」をスタートする契機として、11月初めに対象4州の全COGES監督官を集めての「中等COGES監督官モニタリング会合」を開催しました。今回の会合では、今後一年間のCOGES監督官の活動方針を固めるのみならず、COGES監督官が例年取り組むべき年間業務を整理し、全COGES監督官の共通認識を醸成することに努めました。

2018/2019年度は、今後のプロジェクト実施期間の中で、年間を通したCOGESモニタリング活動を支援できる、唯一の年度となります。その点を念頭に、中等COGESモニタリング体制の確立と安定化へ向けて、活動を進めていきます。

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中学校卒業試験受験生を対象とした模擬試験活動

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中等COGES支援「補習活動」様子