マンスリーレポート(2018年12月号)

2018年12月31日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、初等教育分野と中等教育分野、二つの分野にて活動しています。初等教育分野においては、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することですべての児童の“読み書き”と“計算”の基礎学力改善を目指す『質のミニマムパッケージ』の開発と普及に取り組み、中等教育分野においては、アクセス、格差解消、教育の質の改善など、様々な教育開発課題の改善に貢献する“機能する”学校運営委員会(COGES)モデルの全国普及を進めています。

「初等教育分野」では今月、2018/2019年度の「質のミニマムパッケージ」読み書き・算数統合モデルのパイロット活動を始動しました。今年度の「質のミニマムパッケージ」は、昨年度までの経験と成果から得た教訓に加え、インドNGO Prathamとの連携・技術交流から学んだ、児童の能動的な学習を支援する習熟度別基礎学力改善手法「Teaching at the Right Level(TaRL)」アプローチを盛り込み、さらにパワーアップします。ファシリテーターのサポートにより、子どもの“学年”ではなく習熟レベルにあわせて、児童が楽しくかつ効果的に学べるインタラクティブでバラエティに富んだ活動を組み合わせ、子どもの読み書き計算能力の強化を図ります。

そのさらに進化した「質のミニマムパッケージ」の導入へ向け、12月初めに対象校のCGDES代表と校長を集め、『質のミニマムパッケージ活動計画策定』研修を開催しました。この研修においては、各CGDESが、如何に教員、保護者、住民など学校に関わる全ての人たちの協力と動員を得て、質のミニマムパッケージ活動の計画、実施、評価のプロセスを進めていくかについて、ディスカッション、寸劇、ケーススタディを交えつつ取り組みました。

また、この活動において重要な児童の習熟度をはかる学力テストに関しては実際に子どもを相手に学力テストを実施し、その分析まで実践的な演習を行いました。研修にて学んだことを実践に結び付けられるか、子どもの反応はどうか、CGDES代表も興味津々に見守る中、いずれの校長も真剣な表情で子どもに向き合いました。当研修の参加者は皆、子どもの学力に強い問題意識を持っているだけでなく、昨年度の質のミニマムパッケージ活動の成果をまさに実感・体感しています。そのため、この活動の必要性、重要性を誰よりも知っていることから、研修中は非常に熱いディスカッションが繰り広げられました。

今後は、いよいよTaRLと旧来の質のミニマムパッケージ活動を融合させた、パワーアップした「質のミニマムパッケージ活動」のファシリテーション研修へ向け、モジュール策定から講師研修準備を進め、最終的には今年度は昨年度の53校から100校への拡大を進めていきます。

【画像】

質のミニマムパッケージ活動計画研修開会式の様子。市長も会場に駆けつけました。

【画像】

読みの学力テスト実施シミュレーションの様子