プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2
(英)"School for All":The project on support to educational development through community participation Phase 2

対象国名

ニジェール

署名日(実施合意)

2016年9月30日

プロジェクトサイト

前期中等教育:ティラベリ州、ドッソ州、タウア州、マラディ州、ザンデール州、ニアメ市
初等教育:ティラベリ州

協力期間

2016年12月24日から2020年4月23日

相手国機関名

(和)中等教育省および初等教育・識字・国語推進・市民教育省

背景

(1)当該国における教育セクターの現状と課題

ニジェール政府は「教育開発10カ年計画(2002〜2012)」において教育のアクセス、質、システムの改善を目標に掲げ、その実現のための方策として学校運営委員会の設置を含む地方分権化政策に取り組んできた。
これらニジェール国政府の取り組みの結果、ニジェール国の初等教育総就学率は、63.5%(2009/2010年度)から74.2%(2014/2015年度)に向上しているが未だ低い水準にあり、男女格差は依然として大きい。初等教育の質については、2014年の仏語圏アフリ力共通学力テスト(PASEC)において、同国は調査対象の2年生及び6年生において言語・算数ともに全10カ国中最下位であった。2年生において算数の十分な知識を習得していた児童は27.8%、仏語では9.8%であり、6年生においてはそれぞれ算数が7.6%、仏語では8.5%と、同国における児童の学習達成度は非常に低く、初等教育においては、アクセスが改善しつつある一方で、子どもの学びの改善が喫緊の課題となっている。また、同国前期中等教育総就学率は29.5%であり、総就学率のジェンダー平等指数は0.7(2014/2015年度)と低く、また地域間格差が大きい。同国修了率は17.8%(2014/2015年度)と前年度の13.7%より改善しているが、依然として極めて低い状況であり、前期中等教育では、アクセス・修了率の向上等が大きな課題である。

JICAはこれまで、同国において技術協力プロジェクト住民参画型学校運営改善計画」(2004年〜2006年)(通称:みんなの学校プロジェクト)及び同プロジェクトのフェーズ2(2007年〜2012年)を通じ、初等教育段階における機能する学校運営委員会モデルの確立、全国普及の支援に取り組んだ。さらに、かかる成果をもとに、技プ口「みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクト・フェーズ1」(2012年〜2016年)において、JICAは教育のアクセス及び質改善を目指し、基礎教育(初等教育・前期中等教育)における住民参加型の教育開発のためのモデルの開発を支援してきた。同プロジェクト前フェーズで開発された教育開発モデルである「質のミニマム・パッケージ」に関しては、対象全校で算数の学力テストの平均点が向上する結果を得た。また、前期中等学校における「機能する中等学校運営委員会モデル」に関しては、前フェーズにおける試行を経て、同国中等教育省により国の公式モデルとして承認された。これらの成果を受け、本プロジェクトフェーズ2では、初等教育段階において学校運営委員会(CGDES)の活動を通じて子どもの学びの改善を支援し、前期中等教育段階において機能する学校運営委員会(COGES-ES)モデルの改善・普及を支援することにより、上記の課題解決を図る。

(2)当該国における教育セクターの開発政策と本事業の位置づけ

ニジェール国教育開発10か年計画(Programme Décennal de Développement de l'Education(PDDE 2003〜2013))の活動実施により、初等教育のみならず、前期中等教育においても大幅な中学校数の増加が進み、就学生徒数の拡大に至った。
そのような中、学校運営の効率化と住民との教育コストシェアリング、それに基づく教育のアクセスと質の改善への期待、並びに初等教育における「機能する学校運営委員会」の成功を背景に、中等教育においても、住民参加型学校分権化運営の必要性が認識されるようになった。これにより、PDDEに続くニジェール教育分野開発指針である「教育セクタープログラム(Programme Sectoriel de l'Education et de la Formation(PSEF 2014〜2024))」の初年度となる2014年度活動計画においても、中等教育省のイニシアティブにより、将来的な全国普及を目指した「機能する中等学校運営委員会(COGES-ES)モデル」開発パイロット試行が盛り込まれており、COGESを通じた教育改善は同国の政策課題に合致する。
初等教育においては前述のとおり、算数の能力とともに、児童の仏語能力の改善もニジェール教育開発における喫緊の課題と言え、本プロジェクトが取り組む質のミニマム・パッケージにおける読み書きコンポーネント開発、ならびに算数との統合モデルの開発と普及にかかるニーズと緊急性・重要性は非常に高い。

目標

上位目標

プロジェクト対象地域において、地方分権化による学校運営を通じて基礎教育のアクセスと質が向上する。

プロジェクト目標

プロジェクト対象地域において、基礎教育のアクセス及び質の改善に資する住民参加型の教育開発モデルが機能する。

成果

1. 前期中等学校における機能する学校運営委員会モデルが、対象州の前期中等学校及び中高併設校において普及される。
2. 対象州の小学校において質のミニマム・パッケージが普及される。

活動

成果1

1-1. 前期中等学校の機能するCOGES-ESモデルの普及に係る詳細計画を策定する。
1-2. ジェンダーや前期中等学校における分権化された学校運営を含め、ベースライン調査を実施する。
1-3. 住民参加を通じた民主的COGES-ESの設置、学校活動計画の策定、資金管理、COGES-ES連合の設置に係る研修マニュアル及びガイドを改定する。
1-4. 研修マニュアル等のツール及び普及計画の承認ワークショップを開催する。
1-5. 住民参加を通じた民主的COGES-ESの設置、学校活動計画の策定、資金管理、COGES-ES連合の設置に係る研修マニュアル及びガイドに関し、講師研修を実施する。
1-6. 住民参加を通じた民主的COGES-ES設置に係る研修を実施する。
1-7. 学校活動計画及び資金管理に係る研修を実施する。
1-8. COGES-ES連合設置に係る研修を実施する。
1-9. 州、県のフォーカルポイント(本件担当者)を対象とし、COGES-ESモニタリング及び技術的助言に係るワークショップを開催する。
1-10. COGES-ES活動のモニタリングガイドを作成する。
1-11. 機能するCOGES-ES連合のモデル承認のためのワークショップを開催する。
1-12. 全州の関係者を対象とし、機能するCOGES-ESモデルに係る経験共有セミナーを開催する。
1-13. ジェンダーや前期中等学校における分権化された学校運営を含め、エンドライン調査を実施する。
1-14. COGES-ESの定着、COGES-ESに関連した政策・戦略強化のための提言を取りまとめることを目的とし、ワークショップを開催する。

成果2

2-1. 質のミニマム・パッケージの普及に係る詳細計画の策定、マニュアル及びガイドの改定に関し、技術的助言を行う。
2-2. ジェンダー、CGDESによる教育の質改善のための活動、児童の学習成果を含め、ベースライン調査を実施する。
2-3. 質の高い教育支援プロジェクト(PAEQ)の実施における手続きを促進する。
2-4. 質のミニマム・パッケージの普及のための講師研修の実施に関し、技術的助言を行う。
2-5. 質のミニマム・パッケージに基づく活動計画の策定に関し、CGDES代表を対象とした研修の実施において技術的助言を行う。
2-6. 質のミニマム・パッケージの普及のため、補習活動のファシリテーター研修の実施に関し、技術的助言を行う。
2-7. 質のミニマム・パッケージに識字(読み書き)コンポーネントを統合するためのパイロット活動として講師研修を実施する。
2-8. 質のミニマム・パッケージに識字(読み書き)コンポーネントを統合するためのパイロット活動としてCGDES代表に対する研修を実施する。
2-9. 質のミニマム・パッケージに識字(読み書き)コンポーネントを統合するためのパイロット活動としてファシリテーター研修を実施する。
2-10. 統合された質のミニマム・パッケージの試行を通じて得られた成果や教訓を取りまとめるための評価調査を実施する。
2-11. 算数と識字(読み書き)を統合した質のミニマム・パッケージの承認ワークショップを開催する。
2-12. 対象州以外の州の代表者を含め、関係者と質のミニマム・パッケージの普及に係る経験を共有するためのワークショップや会合を開催する。
2-13. ジェンダー、CGDESによる教育の質改善のための活動、児童の学習成果を含め、エンドライン調査を実施する。
2-14. CGDESの定着、質のミニマム・パッケージを活用した政策・戦略強化のための提言を取りまとめることを目的とし、ワークショップを開催する。

投入

日本側投入

短期専門家5名(総括・副総括/学校運営/教育開発/研修教材開発、研修計画・運営/業務調整、学校運営委員会モニタリング強化/ベースライン・エンドライン調査、他必要に応じて)、モニタリング用車両、事務用機器(コンピュータ、プリンター、コピー機、プロジェクター等)、研修・ワークショップ実施、マニュアル作成等にかかる費用、本邦/第三国研修経費

相手国側投入

カウンターパート人件費、プロジェクト執務室および執務室維持経費、モニタリング評価経費、(成果2)質のミニマム・パッケージ普及にかかる経費(初等教育)