エボラ対策支援3

2015年2月27日

2015年1〜2月

西アフリカでは2013年のエボラ発生から9000人以上が命を落とし、いまだ終息の目途はたっていません。この中でいち早くエボラ終息宣言をしたナイジェリアですが、油断は禁物と言うことでコミュニティにおける監視システムなどを立ち上げ、エボラの再発を阻止しようとしています。
昨今は交通手段の発達に伴い誰もがどこにでもすぐに行ける時代であり、エボラを水際で防ぐことが重要です。日本においても空港での検査体制が強化されていますが、アフリカのような大陸では空路だけではなく陸路からの侵入も可能性です。そのため、国境沿いの検疫体制の強化も大きな課題の一つです。
ナイジェリアでは昨年11月の終息宣言のあと、国内ではその脅威が忘れ去られようとしています。国境を通る旅行者に対してはまだ問診票の記入や体温チェックは行われていますが、エボラへの注意喚起は行われなくなりました。また、国境沿いにはいくつもの抜け道があり、不法に国境を渡ってくる人々があとを絶ちません。その中にエボラに感染した人がいるかもしれません。このようなエボラの侵入を防ぐためには、国境周辺の住民が正しい知識を持ち続けることが大切です。
今回プロジェクトでは、ラゴス州に接した2ヵ所の国境(セメ国境、イディロコ国境)に対しエボラに関するバナー(注1)、パンフレット、ポスターを供与しました。ベナン国との国境のため、フランス語圏の人たちにも読んでもらえるようパンフレットにフランス語も加えました。主に旅行者へのエボラに対する注意喚起を促すものですが、ポスターは住民の利用する公共施設やレストランにも貼られます。また、イディロコ国境ではPort Health Service(注2)が住民向けに実施しているエボラ対策(保健教育)でも活用される予定です。
プロジェクトでは啓発活動などを通してエボラ対策の支援を続けていく予定です。

(注1)バナー:長方形の広告用の垂れ幕(右写真)。
(注2)港、空港、国境の医療サービスを担うのがPort Health Serviceです。日本の検疫所のような役割を持っています。

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国境沿いの抜け道

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国境ゲートに立てられたバナー