プロジェクト活動本格始動

2015年7月15日

2015年5月〜7月

2015年1月〜4月にラゴス州政府関係者とプロジェクト活動の詳細について協議を重ね(「プロジェクト活動詳細策定(2015年5月4日)」参照)、5月より活動を本格的開始しました。プロジェクト活動は内容的に、保健サービスの供給側(注1)および需要側(コミュニティの住民)の両方を支援するものとなっています。最終的にプロジェクトで実施することとなった活動は以下の表のとおりです。
サービス供給側の活動については、デフォルター(予防接種や産前健診などの保健サービス利用中断者)の追跡を5月より、アウトリーチ活動を6月より開始しました。リーダーシップ研修も6月に実施しました。
サービス需要側の活動については、ワード(注2)保健委員会(WHC)活動強化のため6月よりサポートグループの選定を開始しており、今後は当グループを対象に能力強化および子供の疾病管理などの研修を実施していく予定です。

(注1)公的プライマリー・ヘルス・センター(PHC)やそれを管理する州保健省、プライマリー・ヘルス・ケア庁、プロジェクト対象地域。
(注2)ナイジェリアの最小行政単位。プロジェクト対象地域のエティ・オサ地方行政区には5ワードある。

1.サービス供給側の活動

活動 内容
(1)リーダーシップ研修 PHCの活動を管理する州保健省、プライマリー・ヘルス・ケア庁、プロジェクト対象地域の行政官を対象にリーダーシップ能力を強化する。
(2)アウトリーチ活動 PHCスタッフが特にアクセスの悪いコミュニティに足を運び予防接種などの保健サービスを提供する。
(3)デフォルターの追跡 予防接種や産前健診などの保健サービス利用中断者を追跡し、これらのサービスを引続き受けるように促す。

2.サービス需要側の活動

活動 内容
(1)WHCの能力強化 各ワードに設立された委員会のメンバーは5名。この5名以外に、サポートメンバーを人口規模に応じて選定し、研修や定期的なモニタリングを通してPHCとの協働体制を強化する。
(2)コミュニティにおける小児疾病管理 子供のための栄養改善(生後6ヵ月まで完全母乳、ビタミンA、鉄分補給など)、病気の予防(排泄物の適切な処理、手洗いなど)や処置(適切な水分補給など)について、家庭でできる基本的な項目について母親を対象に教育する。
(3)伝統的助産者の研修 助産師としての資格を有しない伝統的助産者とPHCの連携強化を図る。また当助産者の一部を対象に研修を実施し、コミュニティ助産師(注3)を育成する。
(4)住民との対話集会 定期的にコミュニティの住民を招集し、保健問題やその解決法を話し合ったり、PHCから保健情報を提供したりする。
(5)3輪タクシー組合との連携 乗客用に啓蒙用のパンフレットを常備する。アウトリーチ活動や妊産婦等搬送の際に利用する。
(6)学校保健 児童の保健委員会などを通じて保健教育を行う。

(注3)ラゴス州では法律的に有資格の助産師とみなされる。

【画像】

リーダーシップ研修の様子。ミュニティの健康問題とその解決策について検討。

【画像】

アウトリーチ活動による予防接種の様子