ベースライン調査結果

2015年9月4日

2015年5月11日〜7月3日、エティ・オサ地方行政区(プロジェクト介入地)およびエティ・オサ・イースト地方行政区(対照地)においてベースライン調査を実施しました。詳細な調査デザインや準備については「ベースライン調査準備1(2015年3月3日)」および「ベースライン調査準備2(2015年5月11日)」をご参照ください。
最終的にエティ・オサ地方行政区から817名、エティ・オサ・イースト地方行政区から803名、合計1,620名からデータを収集することが出来ました。
分析では母子保健サービス(産前健診、熟練助産師による分娩、産後健診、予防接種)の利用率および子供(12〜23ヵ月児)の下痢、熱、呼吸器疾患の有病率(注1)を算出しました。プロジェクトは特に貧困層の健康改善を目指していることから、裕福度に応じて5グループに分類し(注2)、分析を行いました。
結果は、世界的にも見られるように、富裕層にくらべ貧困層のサービス利用率が低いということです。例えばエティ・オサ地方行政区での熟練助産師による分娩率を見た場合、「とても裕福グループ」の78%に対して、「とても貧困グループ」では60%です。同地区の完全予防接種率(注3)をみると「とても裕福グループ」では68%、「とても貧困グループ」では45%に過ぎません。
この状況を改善すべく、今後もプロジェクト活動(「プロジェクト活動本格始動(2015年7月15日)」)を推し進めていきます。

(注1)一時点(調査時や検査時)において集団の中で疾病に罹患している人の割合。
(注2)各世帯の状態(屋根、外壁、床の材質など)や所有物(車、バイク、携帯電話、扇風機など)の情報をもとに主成分分析という統計手法を用いて指数を算出し、その指数をもとに回答者を5分類(とても裕福、裕福、中程度、貧困、とても貧困)した。
(注3)BCG(結核)、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、麻疹の全てを接種した状態。

【画像】

プロジェクト対象地域のスラムの一つ。ゴミも散乱しており衛生環境は劣悪。