保健ボランティアによる健康教育活動を実施中

2017年9月27日

プロジェクトが対象としているヤバ、ラゴスメインランド及びエティ・オサの3地方行政区には、109人のCommunity Resource Persons(CORPs)と呼ばれる保健ボランティアが活動しています。CORPsは、コミュニティで母性・新生児・小児保健に関する保健教育を行うことが出来るように研修を受けたボランティアです。各CORPsは担当する地区で、母親を中心とするコミュニティの人々を集め、健康教育活動(ヘルストーク)を実施しています。内容は、「乳児の栄養」「子供の発育」「出産」「感染症予防」「予防接種」など23のテーマがあり、参加する対象者に合わせて、その日のヘルストークのテーマを選び、30分から1時間程度の話と質問の応答をします。

今回訪問したラゴスメインランドのイラジェ・コミュニティでは、COPRsが乳児を抱えたお母さんたちに対し、「初乳の大切さ」「正しい母乳の与え方」や「母乳を与える期間」について話をしました。5歳以下の幼児を連れた母親が多かった2回目のヘルストークでは、子どもの発育に関連して、「幼児虐待」や「育児放棄」について話をしました。

ラゴスメインランド地方行政区とヤバ地方行政区は、2017年初めにプロジェクト対象地域拡大に伴って活動が開始された行政区で、CORPsによるヘルストークは、今年6月に開始したばかりですが、合計97人のCORPsが活動し、8月の1か月間で7685人の人に対してヘルストークを実施しました。参加する母親の年齢は様々ですが、とても若い母親や初産の母親も多く、CORPsが定期的に行っているヘルストークが、コミュニティの母親たちにとって貴重な情報源になっています。またCORPsは、コミュニティの子どもの栄養状態をチェックしたり、健康状態のすぐれない人々を最寄りの保健施設に紹介するなど、地域保健に根差した活動を行っています。

このように、プロジェクトでは、都市スラム地区において、住民による住民のための保健活動が拡大していくように今後も支援していきます。

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健康教育活動のため、コミュニティの人々の動員を行う保健ボランティア

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乳児をつれた母親層が多かったため、正しい母乳の与え方について健康教育を行う保健ボランティア

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2度目の健康教育を行うため、コミュニティの人々の動員を行っているところ。このコミュニティでは、ごみの山が積み上がり、環境が非常に悪い。

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健康教育の出席カードを見せる母親。