地区保健委員会のリフレッシャー研修を実施

2017年12月7日

2017年11月27日~12月7日

プロジェクトが対象としているヤバ、ラゴスメインランド、エティオサの3つの地方行政区(Local Government Area:LGA)には、プライマリーヘルス推進のための住民代表組織であるWard Health Committee(WHC)と呼ばれる地区保健委員会があります。各Ward(注)には15人の委員会メンバーが選出されており、住民と保健施設の橋渡し役を担っています。今回はそのWHCの活動を強化するため、リフレッシャー研修を実施しました。研修は、全23区のWHCメンバー全員を対象に、1日につき3区、計8日間に渡って行われました。

研修では、WHCの役割の再確認のほか、各区におけるヘルスサービスの問題点の洗い出しと分析、問題解決に向けたアクションプランの作成、そして、作成したアクションプランを使ったアドボカシーの方法に関する実践を行いました。

今回の参加者のメンバー構成は、再研修を受けるWHCメンバーだけでなく、新たに加わったメンバーもいたことから、全員にとってWHCとは何か、また、WHCがどのような役割を担っているのかを学ぶ絶好の機会となりました。

研修では、講義だけでなく、参加型実践を多く取り入れましたが、参加者からは、「今後WHCの活動をより充実させるために必要不可欠な知識や手法を取得することができ、非常に素晴らしい研修であった」という声を多数聞くことができました。

この研修は、LGAの健康教育担当官(Health Educator)だけでなく、ラゴス州プライマリーヘルス局(Lagos State Primary Health Care Board:LSPHCB)健康教育課の課長及びスタッフ、LGA保健チーム全員がファシリテーターとなり、協働して行いました。

今までWHCメンバーの多くが抱いていた、「WHCがJICAの活動をサポートする」という誤った認識から脱却し、「WHCがコミュニティにおける保健活動のカタリストとして自主的に活動する」ための手助けをJICAが行う、という認識に転換することを期待しています。

(注)ナイジェリアの最小行政単位、ヤバに9区、ラゴスメインランドに9区、エティオサに5区がある。

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最初のグループに対する研修の開始式で、受講者であるWHCメンバーを激励するラゴスメインランド地方行政区医務官(LM/YB)

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WHCメンバーに対し、地方行政区保健チームとJICAチーム共同で参加型実践研修でのアドバイスをしているところ(LM/YB)

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立案したアクションプランを基に、アドボカシーのための訪問のロールプレイを行っているWHCメンバー(LM/YB)

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実践研修で、受講者にアドバイスをしているエティオサ行政区医務官補佐。(EO)