ラゴスメインランドでアウトリーチ活動再開

2018年1月10日

プロジェクトでは、これまでもアウトリーチ活動を支援してきましたが、2017年9月に実施された関係者会議で、ラゴスメインランド、ヤバ、エティオサの3地方行政区の中の15か所の地域に限定してアウトリーチ活動を支援することが決定されました。これらの地域は、いずれも近距離に医療施設がなく、アクセスが容易ではない地域であるか、住民の動員が困難な地域(Hard-to-Reach Settlements)です。プロジェクトでは、そういった貧困地域に医療スタッフが出向き、乳幼児と母親に対する予防接種を実施するための支援を実施しています。

今回のアウトリーチ活動は、オコババ地域のDestitute Homeと呼ばれる居住区で実施されました。このDestitute Homeは、身体や視覚障害がある人々やハンセン病の患者(治療完了)の人々など、困難を抱えた人々のためにラゴス州政府が設置した公的居住施設です。この施設は、最寄りの保健施設から5キロ以内の位置にあり、距離的にはアクセス可能な地域ですが、障がいによる移動困難や周囲からの差別を怖れ、施設の外に出たがらない人々がほとんどです。このために、保健施設の医療スタッフが出張訪問をして予防接種を行うHard-to-Reachアウトリーチ活動の対象地域となっています。アウトリーチでは主に乳児をターゲットとして、ポリオや5価ワクチン(ジフテリア、破傷風、百日咳、ヒブ感染症、B型肝炎)、麻疹、黄熱病などの予防接種、ビタミンA補給を実施しますが、接種する子どもの数はその時々によって変わります。ラゴス州にも、日本でいう母子手帳のような記録手帳があり(人によっては予防接種カードしか持っていない場合もある)、医療スタッフは、それぞれの子どもの予防接種記録を見て、どのワクチンを打つ必要があるのかを判断しています。また、お母さんたちには破傷風の予防接種を打つこともあります。

プロジェクトでは、このように医療機関へのアクセスが困難な地域の人々に対しても支援を継続していく予定です。

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破傷風の予防接種を受ける母親

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乳児に5価ワクチン接種を行っているところ

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予防接種に来た母親やその子どもたちを対象に健康教育を行う保健ボランティアと、この施設の主要言語であるHausa語通訳者

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予防接種記録をカードと台帳に記入するプライマリー・ヘルスケア・センターの看護師