予約確認と未再来者追跡自動システム(Appointment Reminder and Defaulter Tracing:AR&DT)のオペレーション強化のための再研修

2018年2月1日

モバイルテクノロジーを使用した予約確認と未再来者追跡を7月に導入して半年が経過しました。このシステムは、モバイル端末アプリとサーバーとクラウドソフトの連携で成り立っています。各保健施設では、産前健診や予防接種などのサービスの予約を専用の予約台帳に転記しています(注)。そのデータをモバイルアプリに入力し、入力したデータを、SMSによってサーバーに送ります。サーバーはそのSMSを判読して予約日の3日前と1日前にクラウドアプリ経由で各予約者(クライアント)の携帯にSMSにて予約確認を送ります。そのクライアントが予約通り保健施設に戻った場合は、保健施設はその情報をモバイルアプリに入力して再来完了をサーバーに知らせます。予約通り再来しないクライアントはDefaultersとして認識され、再来を促すSMS(リマインダー)が送られます。このリマインダーによって再来したクライアント情報をまたモバイルアプリに入力してサーバーに知らせます。この一連の手順の一つ一つがしっかり行われて初めて機能するシステムですが、電力事情やSMSネットワーク、インターネットなどのインフラの問題などでサーバーやネットワークが正しく動作しないと、機能不全となってしまいます。そのため、電力問題は、サーバー専用の太陽光発電の設置、ネットワークの問題はサービスプロバイダーとの交渉によりクリアしてきました。一方、保健施設レベルでの入力作業が進行しなければ、当然ながらシステムは機能しません。保健施設レベルの作業状況は、サーバー上で確認できるようになっていますので、作業が上手く進んでいない施設には電話による励ましと技術支援を行ってきましたが、中にはそれでも作業が順調に進まない施設もあります。そこで、プライマリー・ヘルスケア庁と相談し、作業能力強化のための再研修を実施しました。研修は、現在入力作業を行っている100か所の保健施設から2名ずつ、そしてそれぞれの行政区の医務官57人を招待し、1月29日と2月1日の2日間に分けて実施。これまでの入力作業の状況を示すデータを使って問題点を指摘、州・行政区・施設の各レベルの関係者の役割の明確化、入力作業手順と注意点の確認、エラーメッセージが届いた場合の対処方法、各施設レベルでの課題解決に向けたアクションプランの作成を行いました。また、研修最後には、成績の良い上位3施設にはプライマリー・ヘルスケア庁からの表彰が約束され、大いに盛り上がり、各施設の励みとなりました。今後、入力作業が順調に進むことが期待されます。

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研修冒頭で激励の挨拶をするプライマリーヘルスケア庁医療サービス部長

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システムオペレーションの手順について熱弁するラゴス州保健省のファシリテーター

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システムオペレーション改善のアクションプランを熱心に話し合う参加者

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話し合ったアクションプランを発表