プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)生計向上のための市場志向型農業普及振興プロジェクト
(英)Project on Promotion of Market-oriented Agricultural Extension System for Livelihood Improvement

対象国名

ナイジェリア

署名日(実施合意)

2019年10月30日

プロジェクトサイト

ナイジェリアの6つの地理・政治的ゾーンから20州
(北東ゾーン)バウチ州、ゴンベ州、タラバ州
(北西ゾーン)ジガワ州、ケビ州、カノ州
(北中央ゾーン)ナサラワ州、連邦首都区、ナイジャー州、クワラ州、コギ州、ベヌエ州
(南西ゾーン)オシュン州、エキティ州、オグン州
(南東ゾーン)アナンブラ州、エボニー州、イモ州
(南南ゾーン)クロスリバー州、エド州

協力期間

2020年8月31日から2024年8月31日

相手国機関名

(和)連邦農業・農村開発省
(英)Federal Ministry of Agriculture and Rural Development

背景

ナイジェリアにおいて農業セクターはGDP全体の約25%を占め、近年の成長率が3%を超える重要なセクターである。その中で園芸作物の生産や消費も近年増加傾向にあるが、農家の市場アクセスは限定的であることに加え、適切な販売先を確保できない、栽培技術が不十分、収穫時期が集中して価格の暴落が起きるなど、生産の増加が農家の収入へ結びついていない。同国の貧困状況をみると、GINI係数が42.2%(World Data Atlas、2017年)、8,700万人以上が絶対的貧困水準(1.9ドル/日)以下で生活し、その数は人口増加に伴って増加傾向にあり、拡大する格差が大きな開発課題となっている。ナイジェリアでは就業人口の約7割が農業に従事しているが、人口当たりの耕地面積は0.18ヘクタール(2016年、世銀)と小規模農家が多いことが特徴であり、こうした小規模農家の生計向上が重要な開発課題となっている。さらに、ナイジェリアでは、5歳未満児の約3割が慢性的な栄養不良状態にある(2014年、NDHS)など、国民の栄養改善も大きな課題となっている。
ナイジェリア政府は2015年以降、JICAが実施するSHEP課題別研修へ職員を派遣している。同国連邦首都区(Federal Capital Territory:FCT)及びNasarawa州では、同研修に参加した州農業開発プログラム(Agricultural Development Programme:ADP)職員が作成したアクションプランに基づくパイロット事業が実施された。これらの活動とSHEPアプローチの有効性を評価したナイジェリア政府は、SHEPアプローチをさらに同国で広め、小規模園芸農家の生産性やマーケティング能力を強化し、生計向上を目指す支援を我が国に要請した。
かかる状況を受けて、JICAは2019年5月に詳細計画策定調査団を派遣し、ナイジェリア連邦政府関係者と協議を行い、「生計向上のための市場志向型農業普及振興プロジェクト」の枠組みを決定した。

目標

上位目標

プロジェクト実施州およびその他の州において、農家の生活向上に資する普及活動が継続的に提供される。

プロジェクト目標

プロジェクト実施州における農家の生計向上に資する普及活動の質が向上する。

成果

1.ナイジェリア版SHEPアプローチの普及メカニズムが確立される
2.プロジェクト実施州でSHEPアプローチの実施体制が構築される
3.プロジェクト実施州で農家の栄養改善を推進するための実施体制が構築される

活動

成果1関連

1-1.SHEPマスタートレーナー育成研修の実施
1-2.SHEPトレーナー育成研修の実施
1-3.プロポーザル方式のコンテストの実施支援
1-4.プロジェクト実施州の選抜
1-5.プロジェクト実施州によるモデルサイトにおける活動の技術的後方支援
1-6.モデルサイトのモニタリング、評価
1-7.モニタリング・評価の結果共有をとおしたナイジェリアにおけるSHEPアプローチ普及メカニズムの確立

成果2関連

2-1.プロジェクト実施州による同州関係者向けのワークショップ実施
2-2.プロジェクト実施州の前線普及員対象研修の実施
2-3.プロジェクト実施州の前線普及員による活動の促進
2-4.農家を支援するための前線普及員による活動の技術的後方支援

成果3関連

3-1.栄養改善にかかる普及啓発ツールの作成
3-2.SHEPトレーナー育成研修における栄養改善にかかる研修実施
3-3.栄養改善にかかる対象農家向けの活動実施
3-4.栄養改善関連部局との栄養改善活動の結果共有

投入

日本側投入

1)専門家派遣:業務主任/農業普及1、副業務主任/農業普及2、園芸栽培1、園芸栽培2/農業普及支援、栄養改善1、栄養改善2、研修1、研修2/栄養改善支援
2)研修員受け入れ:農業・農村開発分野の課題別研修、第3国研修への参加
3)機材供与:本事業の活動に必要な資機材の供与
4)その他の活動経費:必要に応じてプロジェクト活動に係る現地経費

相手国側投入

1)カウンターパートの配置
2)執務室の提供、ローカルコスト負担