プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)難民キャンプ改善プロジェクト
(英)Refugee Camp Improvement Project

対象国名

パレスチナ

署名日(実施合意)

2016年8月31日

プロジェクトサイト

パレスチナ自治区西岸地区の3つの難民キャンプ

協力期間

2016年12月15日〜2019年12月14日

相手国機関名

主たるカウンターパート

(和)パレスチナ解放機構 難民問題局
(英)Palestine Liberation Organization(PLO), Department of Palestinian Affairs(DoRA)

関係する官庁(パレスチナ自治政府)

(和)財務計画庁、地方自治庁
(英)Ministry of Finance and Planning, Ministry of Local Governance

背景

1948年に始まったイスラエル・パレスチナ紛争は、1993年のオスロ合意でイスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)との間で和平合意が結ばれたものの、パレスチナ難民問題については最終的地位協定での協議事項とされた。その後、イスラエル・パレスチナの和平交渉は膠着状態となっており、難民問題は解決の目処が立っていない。現在パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区(西岸地区)・ガザ地区、ヨルダン、レバノン、シリアの各国に居住するパレスチナ難民は約550万人、世界最大の難民となっている(2016年7月現在)。うち、西岸地区には約77.4万人(うち19か所の難民キャンプに約22.8万人)、ガザ地区には約126万人(うち8か所の難民キャンプに約56万人)が居住している。

難民発生後約70年が経過し、キャンプのインフラ劣化や失業・貧困等の経済問題が深刻化している。例えば世帯の貧困率は39%(非難民キャンプ世帯29.5%)、難民の失業率は24.8%(非難民17.8%)で、キャンプ外に比べて厳しい状況となっている。また、難民キャンプ内の上下水道設備や道路の維持管理状況もキャンプ外に比べて劣悪である。

パレスチナ難民に対する公共サービスの一部(教育・保健・社会的弱者への支援)は、国際連合パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が担っており、パレスチナ自治政府(Palestinian Authority)設立後も、難民キャンプに対する公共サービスは自治政府の管轄外となっている。また1996年に設立されたPLO難民問題局(Department of Palestinian Affairs(DoRA)) は、UNRWAによる公共サービスを補完する形でキャンプ内での生活環境の改善事業を実施しているが、効率性や技術力が不足しており、その対応能力は十分ではない。一方、難民キャンプの管理は、DoRAの下部組織として位置づけられる住民委員会(Popular Committee)が主体となり行っている。ただし住民委員会の選挙は、一部の政党や有力者などの資格を有する人々から構成される総会メンバーに参加が限定されており、住民委員会の運営は女性や若者の意見に十分対応していないとの指摘もある。パレスチナ難民問題の政治的解決の見通しが不透明な状況下、すべてのステークホルダー間の信頼を構築し、コミュニティ全体で生活状況を改善するモデルを形成することでコミュニティの包摂性を高め、脆弱性を緩和することが課題となっている。このような状況の下、DoRAは自治政府を通じて我が国に対し、難民キャンプの生活環境改善と関係機関の能力強化を目的とする技術協力プロジェクトを要請した。

目標

上位目標

プロジェクト対象キャンプで開発された、難民キャンプ改善計画策定手法、および事業実施・管理の手法が西岸地区の他の難民キャンプに普及する。

プロジェクト目標

DoRAおよび対象キャンプの住民組織(住民委員会に限らずその他組織を含む)の計画策定能力および事業実施・管理能力が向上する。

成果

1.難民キャンプ改善計画策定のためのマニュアル(キャンプ改善計画策定マニュアル)が作成され、活用される。
2.難民キャンプ改善事業の実施と管理のためのマニュアル(キャンプ改善事業実施・管理マニュアル)が作成され、活用される。

活動

1-1 対象キャンプにおける現行計画策定プロセスのレビューと課題の特定
1-2 対象キャンプにおける「キャンプ改善プラットフォーム」の形成
1-3 対象キャンプにおけるソーシャル・プリパレーションの実施
1-4 対象キャンプのプロファイルの作成とDoRA、住民委員会、他ドナーによるプロジェクトについての調査
1-5 DoRAおよび対象キャンプの能力開発ニーズの特定と研修計画の作成
1-6 DoRAおよび対象キャンプ向け計画策定・ファシリテーションに関する研修の実施
1-7 対象キャンプの住民による住民参加型ワークショップの実施
1-8 対象キャンプの住民によるキャンプ改善計画の作成
1-9 対象キャンプにおける計画策定活動に関するグッドプラクティス視察の実施
1-10 キャンプ改善計画マニュアルの策定
1-11 2年目、3年目対象キャンプの選定
1-12 本邦研修もしくは第三国研修の実施
1-13 西岸地区全キャンプ向けの計画策定に関するグッドプラクティス及び教訓を共有するためのワークショップの開催
1-14 DoRAによる対象キャンプ以外のキャンプにおける計画策定活動の側面支援

2-1 対象キャンプにおけるプロジェクト実施に関するプロセスのレビューと課題の特定
2-2 DoRAおよび対象キャンプの能力開発ニーズの特定と研修計画の作成
2-3 対象キャンプにおけるプロジェクトマネジメントおよび調達に関する研修の実施
2-4 TWGにおける対象キャンプの優先ニーズ(PNCI)に基づいたパイロットプロジェクトの決定
2-5 対象キャンプの優先ニーズ(PNCI)に基づいたパイロットプロジェクトの実施
2-6 キャンプ改善プロジェクト実施マニュアルの策定
2-7 ファンドレイジングに関する研修の実施
2-8 対象キャンプにおけるプロジェクト実施に関するグッドプラクティス視察の実施
2-9 西岸地区全キャンプでのキャンプ改善事業の実施を通じたグッドプラクティス及び教訓を共有するためのワークショップの実施
2-10 DoRAによる対象キャンプ以外のキャンプにおけるキャンプ改善プロジェクトの側面支援

投入

日本側投入

1.専門家派遣
2.機材供与
3.その他
本邦研修、パイロットプロジェクト

相手国側投入

1.カウンターパート職員の配置
・プロジェクト・ダイレクター
・プロジェクト・マネジャー
・日本人専門家の担当分野に応じた職員を配置

2.その他
・プロジェクト活動に必要な執務室