(日)アラフエラ湖流域総合管理・参加型村落開発プロジェクト
(英)Project for Participatory Community Development and Integrated Management of the Alhajuela Lake Subwatershed
(西)Proyecto de Desarrollo Comunitario Participativo y Manejo Integrado de la Subcuenca del Lago Alhajuela
パナマ
2006年8月1日
チャグレス国立公園内にあたるアラフエラ湖下流域
※ 「プロジェクト活動」の「プロジェクト対象地域」をご覧ください。
2006年8月1日から2011年7月31日
(日)環境庁
(英)National Environment Authority
アラフエラ湖を含むチャグレス川流域はパナマ運河の東部に位置し、運河航行の安定した水量確保のために重要な役割を果たし、同時に首都近郊150万人以上の住民の生活用水および工業用水の水源であり、さらに、生物種の多様性の観点からも世界的に非常に重要な地域でもある。しかしながら、流域の人口増加、農牧地の拡大、火入れを伴う粗放な牧畜、焼畑耕作などの様々な要因により、森林の減少及び土壌劣化が顕在化しており、その水源涵養機能の低下が懸念されている。パナマ国政府は、1975年に運河の東部流域の40%をチャグレス国立公園として認定し、公園内の自然環境の保全に努めているが、同地域内には国立公園に指定される以前から住民が生活しており、現在も焼畑などの生産活動を行っている。パナマ国政府は、環境庁を通じてこれら住民に対して伐採や焼畑の規制を実施してきたが、住民の反感を招く一方で、自然環境の保全には大きな進展が見られない状況にある。このため、住民への規制のみでなく、自然を守りながら住民の生活向上も実現できるような、環境と調和した生産技術の指導が喫緊の課題となっている。
このような背景の下、パナマ国政府は、パナマ運河東部流域の流域保全と農林業生産活動の調和を図る仕組みを構築することを目的とした技術協力プロジェクトを要請してきた。本プロジェクトは、「流域保全と住民の生産活動との調和を図る」と同時に、そのための「技術指導活動を独自に展開していく仕組みを作る、すなわち環境庁による普及体制の構築をめざす」ものである。具体的には、環境庁が普及員を育成し、計画、実施、モニタリング等を主体的に実施できる体制の構築を支援することにより、これまで限られた普及員の「点」レベルに留まっていた技術を、面的に拡大する。
尚、本プロジェクトでは、パナマ運河西部の上流域において2000年10月より2005年9月まで技術協力プロジェクトとして実施された「パナマ運河流域保全計画」(以下PROCCAPA)の「流域保全と住民の生産活動との調和を図る」活動についての成果(※1)を活用する。
※1 PROCCAPAでは、行政と住民間との信頼関係の醸成の下、参加型により農民を組織化する手法及びアグロフォレストリー、等高線栽培や稲作等の流域保全に配慮した生産活動技術を構築し、その技術を普及員に移転したところであり、現在も住民が流域保全に配慮した生産活動を主体的・継続的に行っている。
アラフエラ湖流域の中下流域において、環境に配慮した持続的な生産活動が実践される。
環境に配慮し参加型手法を用いた持続的な生産技術が、環境庁の普及体制を通して、プロジェクトが組織したグループのメンバーによって実践される。
※2 農地利用計画にはアウトプット4で行う植林活動を含む。
※3 本プロジェクトで配置される普及員に加え、公園監視員、農民リーダー等も含まれることが想定される。これらは、活動5-1によって規定される予定。
※4 運河流域における2020年の土地利用目標を定めた「法律第21号」、「法律第41号」(環境基本法)、「環境犯罪に係る法的措置」及びチャグレス国立公園内の土地利用を含めた管理方針を定めた「国立公園管理計画」等を指す。
※ 「プロジェクト活動」の「プロジェクトの組織図」をご覧ください。