パラグアイの農業において、酪農は今後の経済成長と国民の健康増進を図る上で重要な分野である。しかし現状では、牛乳の需要は近年の人口増加率(2008年の人口約622万人、増加率2.3%)に応じて拡大しているものの、国内の牛乳生産量は乳製品生産需要の8割程度しか確保できていない状況であり、一部を輸入に頼らざるを得ない状況である。また、FAOによって推奨される一人あたりの乳製品消費量は、年間150~180リットルであるが、パラグアイ国内の一人あたりの消費量は約80リットルと推奨消費量の半分程度の状況である。このように安定的な牛乳生産量を確保できない要因は、農協に加入せずに技術指導を受けていない小規模酪…