プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)ヤシレタダム湖隣接地域総合開発調査プロジェクト
(英)Project for Study on Integrated Development of the Adjacent Zones to the Yacyreta Dam Reservoir
(西)Proyecto de Estudio de Desarrollo Integral de las Zonas Adyacentes al Embalse de la Represa de Yacyreta

対象国名

パラグアイ

署名日(実施合意)

2016年11月25日

プロジェクトサイト

イタプア県、ミシオネス県

協力期間

2017年3月1日から2019年2月28日

相手国機関名

農牧省(Ministerio de Agricultura y Ganadería)

背景

パラグアイ共和国(以下、パラグアイ)の農牧業は、国内総生産の約3割、輸出総額の約4割を占め、全人口の約49%が農村部に居住するなど基幹産業となっている。一方、パラグアイの農村部における貧困率は、都市部の17.0%に比べ33.8%と高く、農業セクターは貧困削減にむけて重要な位置づけを有している。特に、所有面積20ha未満の小農が全農家数の86%を占めており、それら小農の生計向上に向けては、農牧業の生産性向上のみならず、加工・流通・販売も含めた農村地域の雇用創出が重要とされている。

また、コメが国内で加工・精米されて商品として輸出される数少ない農産物の一つであり、灌漑開発は、稲作の生産性向上と、それに伴う加工産業の拡大等による雇用創出への貢献が期待されている。しかしながら、パラグアイでは、水資源の利用・管理に係る法制度が十分に整備されておらず、資金力のある大土地所有農家主導による稲作の急速な拡大に伴い、近年一部地域で水不足が深刻化している。

なお、パラグアイにおける大規模灌漑開発事業は、大土地所有農家が自らが計画・実施しており、公的機関による大規模灌漑開発事業が実施された実績はない。

ヤシレタダムは、アルゼンチンとの共同水力発電事業として計画され、ダム本体及び関連施設の工事が完成し、2011年に貯水位が計画水位に到達したことで、ダム建設計画が完成し、パラグアイ政府は、二国間協定の取水権(水利権)に基づく取水が可能となった。一方、同地域のおいては、1985年にJICAの支援により農業開発計画が作成されているが、既に約30年が経過し、現在の社会経済や農業情勢に即した地域の農業開発マスタープラン及び、ヤシレタダムからの取水量に応じた灌漑施設整備計画が不在のため、利用可能な水資源を有効活用されないまま、広大な未利用地及び低位利用地が拡がっている。

目標

調査項目

1:ヤシレタダム湖隣接地域総合農業開発マスタープランの作成
1-1 (1)水資源・灌漑排水開発、(2)土地所有、(3)農業開発、(4)農産加工流通、(5)農業金融等に関連する政策、計画、法令、組織体制に係る情報収集及び課題分析
1-2 対象地域の(1)自然条件、(2)社会経済、(3)土地所有、(4)土地利用、(5)農業生産、(6)農産加工流通、(7)農業金融、(8)灌漑排水・農業インフラ等に関する現地調査の実施
1-3 現況の水利用状況と灌漑向け利用可能水資源量を分析し、単位用水量のレビューと算定
1-4 国・県・市等の関係機関との協議及び、地域住民、農業団体、民間事業者等へのヒアリングを通じて、灌漑開発・農業開発に係るニーズ・意向の把握
1-5 総合農業開発マスタープランの策定
・調査対象地域および裨益者に係る開発基本コンセプト
・土地所有・土地利用に係る基本方針
・水資源利用とその管理に係る基本方針
・農業開発及びバリューチェーン構築に関する基本方針(養殖を含む)
・農業生産インフラ及び農産加工流通インフラの開発基本方針
・環境社会配慮
・官民連携の観点からのマスタープラン実施のための組織体制

成果

1:マスタープランを実現するためのアクションプラン(実施計画)の策定
1-1 マスタープラン全体構想を踏まえた実施目標の決定
1-2 上記の実施目標を達成するためのプロジェクト・コンポーネントと実施計画(予算、スケジュール等)を含むアクションプランの作成
1-3 官民連携の観点から各ステークホルダーの役割・分担事項を検討
1-4 アクションプラン実施のためのモニタリング体制の検討

2:灌漑排水施設整備に係るF/S調査の実施
2-1 灌漑排水施設整備計画の策定のための補足的フィールド調査の実施
2-2 ヤシレタ公団が管理する取水工および導水路の機能診断と見直し
2-3 基幹灌漑水路、2次灌漑水路の基本設計の実施
2-4 基幹・支線排水路の基本設計の実施
2-5 灌漑水路等の管理用道路の基本設計の実施
2-6 土地利用計画の作成
2-7 営農計画の作成
2-8 各種施設の運営・維持管理計画の作成
2-9 水管理制度・組織及び施設維持管理組織の検討
2-10 灌漑排水路計画及び管理道路計画の概算事業費の算定
2-11 経済・財務評価の実施
2-12 環境社会配慮調査の実施(以下を含む)
・戦略的環境評価(SEA)を考慮に入れた代替比較
・灌漑排水優先開発に係る評価パラメーターと手法のスコーピング
・環境評価報告書(案)の作成
・簡易住民移転アクションプラン(RAP)の作成支援
2-13 灌漑排水施設整備に向けた行政実施体制、事業推進体制に関する提言
2-14 水利権制度及び水利費徴収制度の構築に関する提言

投入

日本側投入

コンサルタントチーム:総括/地域農業開発、農業・営農、土地利用計画、農産加工・マーケティング、灌漑排水計画、水文解析(水収支)、道路計画、施設設計、水管理/組織/制度、積算・調達計画、経済評価、環境社会配慮

相手国側投入

1.カウンターパート(プロジェクトダイレクター、プロジェクトマネージャー含む)
2.ローカルコスト
3.プロジェクト事務所及び付帯設備