ペルーの森林ゾーニング-森林マッピング方法論開発に向けて-

2019年2月12日

突然ですが、「森林ゾーニング」をご存知でしょうか?森林には木材/資源生産、生物多様性保全、水源涵養、土砂崩壊防止、といった多面的な機能があります。

これらの機能により、豊かで安全な暮らしを送ることができますが、期待される機能が発揮されるような森林に誘導したり維持管理したりする必要があります。そのために森林を区分し、区分ごとに管理・保全活動を行うことが効果的です。こうした区分作業を森林ゾーニングと呼びます。

ペルーの森林法でも以下のように、大きく4つの森林区分に分けて適切な管理を行うことが規定されています。

1)生態系保全・保護林:利用を規制し、自然な状態の森林を維持し、生物多様性の保全を図るための森林。
2)永続的生産林:持続的に林産物を生産するための森林。
3)回復林:1)や2)にするための回復過程/回復対象の森林。
4)特別利用林:先住民のための保護林、アグロフォレストリー等特殊な利用のための森林。

これら区分はさらに細分化され、管理されることになっています。

森林ゾーニングの作業は地方政府に責任があり、カウンタパート(C/P)機関である中央の農業灌漑省の林野庁が技術支援を行います。地方政府はゾーニング作業の経験は少なく、方法論が未発達のため、作成作業は難航しています。

そこで、森林ゾーニングの重要なインプットである森林マップに関して、北部沿岸地域の方法論開発をプロジェクトで支援しています。
この方法論では、関係当局が安価に作業できるよう、無料の衛星データとソフトを活用します。方法論はほぼ最終化され、C/P機関の職員への能力強化を実施しました。2019年1月30日~2月1日の3日間(半日ずつ)にかけて、C/P機関の4つの部局から合計10名が参加し、方法論解説や森林マップを実際に作成してみる実技を通じて、プロジェクトが提案する方法論に対する理解を深めてもらいました。

今後は、州レベルへの方法論普及活動と能力向上を進めてゆきます。

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研修の様子

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研修の様子

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研修の様子

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マッピングの対象となっているペルーの乾燥林