バンサモロ開発計画のお披露目

2014年11月2日

2014年11月2日、モロ・イスラム解放戦線(MILF)の本拠地ダラパナンにて、バンサモロ開発庁(注1)(BDA)ディパトゥワン議長からMILFムラド議長にバンサモロ開発計画(BDP)が上梓されました。

この開発計画は、2013年3月からBDAが中心となって策定してきたものです。式典出席者にはMILF関係者だけでなく、策定を支援してきたフィリピン政府和平プロセス大統領顧問室(OPAPP)デレス長官やアバド予算管理大臣、和平を仲介してきたマレーシア政府のガファル・ファシリテーター、JICAフィリピン事務所の丹羽所長、世界銀行、国連機関の在フィリピン代表も参加しました。

(注1)BDAは、2001年にフィリピン政府とMILFとの間で結ばれた「トリポリ協定」に基づき、MILFが設置した紛争影響地域の復興・開発・人道活動を担う組織。

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MILFムラド議長にBDP1を上梓するBDAディパトゥワン議長

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BDP1を手にするムラド議長と関係者。右端にJICAフィリピン事務所丹羽所長

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会場を埋め尽くす関係者

バンサモロ地域の開発計画は2フェーズに分かれており、フェーズ1(BDP1)は、バンサモロ暫定統治機構(BTA)設立からバンサモロ自治政府設立までの2015年から2016年中旬の約1年半を対象とした移行期、フェーズ2(BDP2)はバンサモロ自治政府設立から2022年頃までの中期となっています。

バンサモロ開発計画の策定にあたり、JICAは世銀や国連等からなるチームとの連携のもと、農漁業、インフラ、エネルギー、水資源・防災、天然資源の分野を担当しBDAを支援しました。また、計画策定のためにバンサモロ地域のデジタル地図を作成し農漁業、インフラ分野の情報をGISに取りまとめて提供し、BDAスタッフの研修も行いました。

このダラパナンでの式典の後、11月5〜6日にはバンサモロに関するフィリピン開発フォーラム(PDF)がフィリピン政府の主催によりダバオにて開催されました。
BDP1がほぼ完成した今(注2)、次はフェーズ2、バンサモロ自治政府が設立される2016年中旬から2022年の中期計画の策定に移ります。JICA調査団はすでに現地で活動を始めています。2016年のバンサモ自治政府が設立される前にはBDP2を完成させ、新自治政府設立後、スムーズに開発計画が実施されるよう準備を進めています。

(注2)BDP1は12月の最終版の公開に向け、BDAによる校正が進められている。