海洋インセプションワークショップを開催しました

2016年8月16日

2016年8月16日、本プロジェクト対象地である首都ポートモレスビー近郊のモトポレ島において、ブートレス湾保護戦略のための海洋インセプションワークショップを開催しました。今回のワークショップは、プロジェクト成果の1つである「パプアニューギニア(PNG)保護区政策や関連法案に従って、新たな海洋保護区の設立モデルが構築される」に焦点を当てて実施したものです。ワークショップには、PNG大学、アドベンチスト教会(SDA)の中央パプア協議会、ポートモレスビー首都区、民間ダイブセンター、ゲレガ及びツブセリアの各コミュニティの住人、NGOのセントラルビレッジ環境サービス、ヒリ市政府、沿岸漁業開発庁、観光振興公社、EMテレビなどから合計で33名の参加がありました。

ワークショップでは、生態系に悪影響を与える海洋環境の劣化、具体的には沿岸部の入り江沿いにある居住地からの生活排水の流れ込み、マングローブ林や潮間帯で行われる魚の乱獲など様々な課題について意見が交わされました。また、参加者からは、新たに建設される埠頭や燃料ターミナル等の大開発についての懸念が示されました。また、現状、周囲の脆弱な海洋環境を守るための組織的な取り組みがなされていないことが確認されました。

続いて、これらの課題に取り組むための方策について協議が行われた結果、ブートレス湾の保護を進めるためのステークホルダーネットワークを設立することが合意されました。CEPA-JICAプロジェクトでは、継続的にワークショップを開催して、ステークホルダー間の情報交換を行います。ステークホルダーネットワーク内に保護区設立のための作業部会を設置し、進捗状況をステークホルダーネットワーク内で共有することが想定されています。

また、今回のワークショップでは、CEPA-JICAプロジェクトから海洋保護区の候補地であるタヒラマングローブエリアのゾーニング案を提示して、今後、対象エリアの土地所有者であるSDA、および同地域で科学的調査を実施しているPNG大学と議論していくことを確認しました。

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CEPA職員によるプレゼンテーション

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グループディスカッションの様子

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海洋保護区候補地位置図

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インタナショナルダイビングサイト(オレンジ色のドット)、PNG大学の調査地(緑色のドット)、慣習的・伝統的な漁場(青色のドット)が参加者によって明らかにされた。