プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)理数科教育の質の改善プロジェクト
(英)The Project of Improving the Quality of Mathematics and Science Education
(愛称)QUIS-ME

対象国名

パプアニューギニア

署名日(実施合意)

2015年12月11日

協力期間

2016年3月1日から2019年4月30日

相手国機関名

(和)教育省カリキュラム開発局
(英)Curriculum Development Division, Department of Education

背景

パプアニューギニアは、世界で2番目に大きい島であるニューギニア島の東半分と約1,000の島々から構成されています。都市から離れた小中学校が多数点在しており、アクセス困難な遠隔地では、教科知識を十分に持たずに授業を行う教師がいるなど、教員の質に大きな課題を抱えています。1993年から開始されたカリキュラム改革の一環として、2001年に成果重視型の教育(Outcome Based Education:OBE)が導入されましたが、教科書が開発・配布されなかったため、教員が授業をしづらい、生徒の学力が落ちたとの批判が高まり、PNG政府及び教育省は、2014年に成果重視型の教育を廃止し、新たなスタンダード型カリキュラム(Standard Based Curriculum:SBC)の導入とともに、教科書を開発することになりました。しかし、教育省は1993年以降教科書を作成・配布しておらず、教育省内の担当部署であるカリキュラム開発局(Curriculum Development Division:CDD)には、カリキュラム開発・改訂に関して十分な知識、経験を持った職員が不足していました。

JICAはこれまでに、PNG教育セクターにおいて、技術協力プロジェクト「テレビ番組による授業改善計画(EQUITV)プロジェクト」(2005年〜2008年)、及び同「メディアを活用した遠隔教育普及・組織強化プロジェクト(EQUITV2)」(2012年〜2015年)等を通じて、後期初等教育の理数科モデル授業の映像配信によって教育の質向上を行うEQUITVプログラムの全国展開を支援してきました。この協力を通じ、PNG政府は日本の理数科教育支援に大きな信頼を寄せ、今回のSBCの実施に向けた教育省の最重要課題であるカリキュラム・教科書開発に対する協力を、我が国に要請しました。

PNG教育省が2009年に策定した「基礎教育完全普及計画 2010-2019」(Universal Basic Education Plan:UBE Plan)では、2019年までの基礎教育の完全普及を目標とし、1)アクセスの向上、2)就学者数の増加、3)教育の質的向上、4)基礎教育(注1)運営能力の強化、5)公平性の向上、の5つを必要要件としています。このプロジェクトは、これまでのJICAによる協力成果を活用のうえ、先方政府が優先課題とする初等学校の学習改善に向け、教科書・教師用指導書開発を中心に総合的に支援していきます。

この協力は、2015年9月に採択された「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」における教育分野の国際目標である「すべての人にインクルーシブで公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」(SDG4)の達成に向けた協力です。また、日本政府の開発協力政策である開発協力大綱(2015年2月)に沿った教育セクターの政策である「平和と成長のための学びの戦略」(2015年9月)において、「包摂的かつ公正な質の高い学びに向けた教育協力を実施する」とあるように、日本の開発協力政策に基づく協力です。

(注1)PNGにおける「基礎教育」とは、就学前教育(基礎学校3年制)および初等教育(初等学校6年制)を指します。

プロジェクトの目的

本事業は、PNGにおいて、初等第3学年〜第6学年の算数および理科の教科書・指導書の開発支援を行うことにより、教育省が教科書・指導書を全国に導入するための準備が整うことを目的とし、もって同国における教育の質の向上に寄与するものである。

対象地域

プロジェクトサイト:ポートモレスビー
対象地域:PNG全土(約748万人)

本事業の受益者(ターゲットグループ)

直接受益者:教科書開発に携わるカリキュラム開発局カリキュラム担当官7人
PNG国内の初等学校教員および講師より選出された教科書執筆者8名
最終受益者:初等学校教員約1.7万人、初等学校児童約67.5万人

協力の枠組み

上位目標

全国に配布された初等第3〜6学年の理数科教科書・指導書が活用される。

プロジェクト目標

PNG教育省が理数科の教科書・指導書を全国に導入するための準備が整えられる。

成果

1)教科書の普及のための戦略と計画が策定される。
2)新たなカリキュラム(SBC)に沿った教科書の第1ドラフトが完成する。
3)教員・児童にとって教科内容を理解しやすい教科書・指導書が完成する。
4)教員が教科書の使い方を学ぶためのオリエンテーション教材が開発される。