プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)学校ベースの現職教員研修の制度化・質の改善支援プロジェクト(SIIQS)
(英)Project for Supporting Institutionalizing and Improving Quality of SBI Activity

対象国名

ルワンダ

署名日(実施合意)

2016年10月17日

プロジェクトサイト

キガリ(REB(注))および全国(初中等学校)
(注)ルワンダ教育委員会(Rwanda Education Board)

協力期間

2017年1月1日から2019年12月31日

相手国機関名

ルワンダ教育委員会 教師教育・管理・職能局

背景

1.当該国における教育セクターの現状と課題
ルワンダでは、基礎教育へのアクセス拡大に取り組んだ結果、初等教育の純就学率は96.8%(教育省:2014年)に達し、ジェンダー格差(Gender Parity Index)は1.01(同)に縮小したが、修了率は61.3%(同)に留まっている。また、小学校3年生において期待される読み書き・計算能力に約4割の生徒が到達しなかったという結果(Learning Assessment in Rwandan Schools:2011年)が示す通り、学習達成度は低く、教育の質に大きな課題を抱えている。生徒の学習到達度が伸びない原因として、教員の教授能力の不足があげられ、さらにその背景として、現職教員研修の機会の欠如、教員の教科知識の習得不足、生徒への適切な指導を可能にする良質な教師用指導書や教科書、副教材の不足が課題となっている。

2.当該国における教育セクター開発政策
ルワンダ国教育省は、国家開発計画「Vision 2020」および経済開発貧困削減戦略「Economic Development and Poverty Reduction Strategy II」(EDPRS2)を上位の開発指針として、5カ年(2013/14〜2017/18)の教育セクター戦略計画「Education Sector Strategic Plan II」(ESSP2)を策定し、実施を進めている。

3.教育セクターに対する我が国及びJICAの援助方針と実績
我が国は、「対ルワンダ共和国国別援助方針」において、(1)経済基盤整備、(2)農業開発、(3)社会サービスの向上、(4)成長を支える人材育成、の4つの重点分野を挙げており、うち、(4)成長を支える人材育成の中に、教育の質の向上が含まれている。
JICAはルワンダ国の教育セクター戦略計画を支援するため、2008年から「中等理数科教育強化プロジェクト」、2012年にその後継案件である「教員間の校内相互研鑽強化プロジェクト」(School-based Collaborative Teacher Training Project:SBCTプロジェクト)など、日本の教師教育の経験に基づいた技術協力を実施してきた。SBCTプロジェクトにおいては持続的な教員の授業実践改善のための校内現職教員研修(School-based In-Service Teacher Training:SBI)の導入、実践のためのワークショップを行ってきた。SBIは2015年に導入された新カリキュラム(Competence-Based Curriculum:CBC)の学校レベルでの導入研修の場としても位置づけられることになった。また、2016年7月にはSBCTプロジェクトのフォローアップ協力が行われ、SBIの実施強化が図られた。

4.本プロジェクトの位置づけ
本プロジェクトは、ESSP2の実施を通じて目指される10の成果(アウトカム)のうち、「初等・中等教育の質と学習成果の改善」、「有資格・適正技術・モチベーションの高い教員の育成」の2つの目標達成のため、現職教員研修の質の改善を具体化するプロジェクトとしてルワンダ政府の中で位置づけられる。学校現場におけるCBC導入・授業実践のための現職教員研修実施支援及びモニタリング支援として機能することが期待されており、また、郡、セクター、各学校管理職のキャパシティディベロップメントの観点からも、他ドナーとの連携が見込まれる。

目標

上位目標

教室における生徒の学習プロセスが改善される。

プロジェクト目標

SBI活動を通して、教室におけるCBCに基づいた授業の実施が強化される。

成果

1.教員によるCBCの授業実践への理解が高まる。
2.学校、地区、郡、国レベルで課題解決能力が高まる。

活動

1-1.CBCに基づく授業の教員向けガイドライン(授業計画マニュアル、ヒント等を含む)を開発する。
1-2.教員向けのCBCに基づく授業サンプルを作成する(例:ビデオ動画)。
1-3.CBCに基づく授業において生徒の学びを評価する教員向けのガイドラインを開発する。
1-4.CBCに基づく授業実践に関するカスケード型のワークショップを行う。
1-5.CBCに基づく授業の好事例をつくるため、モデル学校を支援する。

2-1.郡継続的職能開発委員会(注)(District Continuous Professional Development Committee:DCC)の機能化に関する郡教育官(District Education Officer: DEO)向けの実践マニュアルを開発する。
2-2.DCCの重要性に関する意識を向上させ、その役割への理解を高める(活動例:ワークショップ)。
2-3.教員向けSBI実践マニュアルを開発する(手順書を含む)。
2-4.CBCに基づく授業の観察に関する校長、地区教育官(Sector Education Officer:SEO)、DEO向けのガイドラインを開発する。
2-5.既存のものを踏まえ、簡易調査を行うことで、校長、SEO、DEOが使用するモニタリングフォームをデザインする(電子版を含む、簡素で使いやすいもの)。
2-6.データを収集・分析し、解決策を講じる能力を高める研修を、JICA専門家がREBに対して行う。
2-7.CBCに基づく授業を評価する能力を高める研修を、JICA専門家がREBのメンバーと国家教科研修講師(National Subject Trainer:NST)、ルワンダ大学教員養成大学(University of Rwanda, College of Education:UR-CE)の教員に行う。
2-8.CBCに基づく授業を評価する能力、データを収集・分析して解決策を講じる能力を高める研修を、校長、SEO、DEOに対して行う。
2-9.CBCおよびSBI実践に関するモニタリングを行う(Emailでの調査、技術的な助言の提供を含む)。
2-10.REBに提出された報告書で認識された課題に向け、対策を講じる教材を開発する。
2-11.上記の教材をもとに、REB及び国家教科研修講師に対して研修を行う。

(注)SBCTプロジェクトにて教員の継続的職能開発を郡レベルで推進するために導入された委員会。

投入

日本側投入

・専門家派遣
(総括/教授法、副総括/地方教育行政、数学教育、理科教育、教育評価、問題解決能力向上、モニタリング/業務調整)
・機材供与
・在外事業強化費

相手国側投入

・カウンターパート配置
・プロジェクトオフィス提供
・研修実施経費