2022年5月開催の域内水道事業体連携ワークショップへ参加しました

2022年5月10日

JICAは、グローバル・アジェンダ「持続可能な水資源の確保と水供給」において、水道事業体のナレッジ創出と共有を重視しており、そのための支援を積極的に行っています。その一環として、WASACはマラウイのリロングウェ水公社(Lilongwe Water Board:LWB)と2017年7月に協力協定書を締結し、無収水削減も含め、相互の学び合いを促進することに合意しています。2018年11月には、ルワンダのキガリ市において、「第1回無収水対策ベンチマーキングワークショップ」が開催され、ケニアのエンブ水資源管理会社(Embu Water & Sanitation Company:EWASCO)も含めた3つの水道事業体による域内連携の取り組みが行われました。

同域内連携の取り組みでは、3つの水道事業体が自主的に設定した活動を日々行っており、定期的にオンラインでの進捗報告会議を開催し、年1回開催されるワークショップは、これらの活動の最終報告の場としても位置付けられています。

第2回目のワークショップについては、LWBがホストとなり2019年9月にリロングウェにて開催され、「無収水削減にかかる好事例・失敗の教訓」について各国の取り組みを踏まえた学びあいが実施されました。

第3回目のワークショップは、EWASCOがホストとなり、2021年にケニアでの開催を予定しておりましたが、2019年末から猛威を振り始めたコロナウイルスの感染拡大の影響による渡航制限などの事由により、開催が延期されていました。今般、感染拡大の状況がある程度改善の兆しを見せたことから、参加人数の限定、感染防止策の徹底、感染発生時のプロトコルの順守などの配慮を行うことにより、2022年5月10日から12日にかけて同ワークショップが開催されました。

なお、同ワークショップにはWASAC、LWB、EWASCOの3事業体、今回オブザーバーとして参加した南アフリカ地方自治協会(South African Local Government Association:SALGA)に加え、ケニア水・灌漑省(Ministry of Water Sanitation & Irrigation)、ケニア水道事業監督局(Water Service Regulatory Authority:ASREB)、ケニア水道研修所(Kenya Water Institute:KEWI)、ケニア水道事業体協会(Water Service Provider Association:WASPA)が参加し、無収水削減に関する各国の取り組みに関するプレゼンテーションや討議が行われました。加えて、同ワークショップ期間中にはEWASCOが運転維持管理を行う上下水道施設のサイト視察、3事業体の代表者による今後の活動に関する合意書(MoU)の署名交換も行われました。

キガリ市を含め全国の水・衛生に携わるWASACにとって、国内では比較対象となる他事業体が存在しないため、このようなワークショップの場は、近隣国の他水道事業体との知見や情報交換の場として貴重な機会であるため、WASAC側参加者にとっても非常に有意義なワークショップとなりました。

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セミナー参加者

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WASACからの発表

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EWASCOが運転維持管理を行う下水処理施設の視察の様子

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EWASCOが運転維持管理を行う水道施設の視察の様子

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3事業体の代表者によるMOU署名の様子