第5回アフリカ保健人材フォーラム(2017年4月19日から21日:ウガンダ国カンパラ市)参加

2017年8月24日

保健医療人材分野でのアフリカ地域ネットワークとして、アフリカ保健人材プラットファーム(African Platform on Humain Ressources for Health (APHRH)(注1))事務局がウガンダ国カンパラ市にあり、APHRHとWHO(世界保健機構)の共催でカンパラ市スピーク・リゾートで第5回アフリカ保健人材ファーラムが開催されました。APHRHの議長は元GWHA(Global Health Workforce Alliance)代表であったフランシス・オマスワ教授で、昨年JICAとNCGMの協力で開催されたTICADVI記念シンポジウム(9月8日)に基調講演者として招聘しています。APHRHが英語圏を中心に活動しているのに対し、RVT2010が仏語圏アフリカ13か国をカバーしていることから、今回、APHRHからこの国際会議に初めて、招待されました。主な参加者は、GHN(注2)、WHO、WHO/AFRO(アフリカ地域事務所)、WAHO(西アフリカ保健機構)などの国際機関に加え、保健省関係者(ナイジェリア、スーダン、ケニア、ウガンダ)、大学医学部等保健人材養成校関係者、アフリカ域内の医療従事者ネットワーク団体等人材関連のNGO等でした。2030年までにアフリカでは保健人材が610万人不足(注3)すると予想されており、アフリカでのユニバーサルヘルスカバレージにむけた最大の懸念事項の1つになっていることから、様々な戦略や事例が紹介され、活発な意見交換がおこなわれています。タスクシフティングやパラメディカルスタッフへのより高度な教育、サービスの質の改善、頭脳流出予防策への調査、プライベートセクターの活用、E-learning事例(ケニア、南アフリカ)やWISNと呼ばれる保健医療分野に特化した保健人材の労働負担を算出するソフトウェアを利用した事例(南スーダン)等が取り上げられました。RVT2010のセネガル国保健省フォーカルポイントであるチャム・ウンディ・クンバ女史が、同会議でRVT2010を紹介する講演をおこなっています。また20日夕刻に実施されたウガンダ国首相を招いたレセプションでは、同首相より、JICAのウガンダ国での保健セクター支援や広域支援に感謝の意を示すスピーチがありました。また会議中にAPHRHとRVTとの連携合意文締結にむけた話し合いも実施しています。最終日、フォーラムは2017年11月アイルランド国ダブリンで開催される第4回世界保健人材フォーラムにむけて、アフリカの保健人材開発の重要性を発信することを声明文にまとめ、閉会しています。(以上)

(注2)Global Health Workforce Network 2016年12月にGlobal Health Workforce Alliance(GHWA)の後継組織として、発足。世界的保健人材のネットワークを調整している。2017年11月13日から17日にアイルランド国Dublinで開催予定の第4回世界保健人材フォーラム開催に中心的な役割を果たしている。
(注3)人口1000人あたり、4.45人の有資格医療者を満たす場合、医師110万人、看護師/助産師280万人、その他医療関係者180万人の不足が予想。(出典)Dr Adam Ahmat, WHO/ARO 同国際会議発表スライド

(文責 岡安利治)

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フォーラム参加者集合写真

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RVTに関する講演をおこなうチャム女史(右)

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ウガンダ首相Dr Ruhakana Rugunda(左)