ギニア国僻地保健人材定着経験共有ワークショップ

2018年6月29日

2018年6月27日から29日

RVT2010は、NCGM(国立医療研究センター)が開発した「ハウスモデル」と呼ばれる保健人材管理アセスメントフレームワークを活用し、加盟国の保健人材管理の課題分析を行い、活動計画や戦略策定につなげています。仏語圏アフリカ諸国の多くでは、保健人材が都市部に集中しており、僻地における保健人材不足が顕著で、保健人材の僻地の医療施設への配置及び定着が大きな課題となっています。ギニアにおいても同様で、全国で勤務する医療従事者の約80~90%が首都コナクリ市およびその周辺に集中しているといわれ、いかに地方部に医療従事者を配置させるかが重要な課題の一つと考えらえています。

RVT加盟国での僻地人材配置の経験をもとに、「ギニアにおいて僻地人材配置政策を打ち出したい」とギニア保健省から声が挙がり、今回のワークショップが実現しました。ギニアでは保健人材の配置には、保健省だけでなく、財務省と公務員省も関与します。今回のワークショップでは、公務員省関係者の参加を促進するために、会場を公務員省内の会議室としました。また、政策により反映させやすくするため、ギニアの国民議会保健委員会から議員や同保健委員会関係者へも参加を呼びかけました。この他、セネガル、トーゴ、マリ、ニジェール、コートジボワール、ギニアの各国保健省人材局、WHOや世界銀行からも参加者を得て、計37名で3日間(2018年6月27日から29日)のワークショップを実施しました。

初日(6/27)は、迫在ギニア共和国日本国大使(当時)、公務員大臣、国民議会保健委員会委員長、保健大臣のスピーチにより、ワークショップが開会されました。開会式後、まずRVTメンバーよりRVT2010の概要について紹介されました。その後、セネガル、マリ、ニジェール、コートジボワール保健省人材局より、各国での僻地人材定着戦略が発表され、ギニア側参加者と意見交換が行われました。

第2日目(6/28)は、参加者を2グループに分け、1)ギニアでの「僻地」の定義、2)僻地の基準、3)僻地定着へのインセンティブ(金銭的なものとそれ以外)、4)僻地基準評価づけ、5)モニタリングシステムの5分野を協議。その後、各グループが協議結果を発表し、全体で討議しました。今後、ここでの討議内容をもとに、ギニア保健省国家人材局(DNRH)が中心となり、僻地人材配置政策案を作成される予定となっています。

最終日(6/29)は、今後の計画を参加者で協議し、担当参加者が作成した3日間のワークショップレポートを参加者全員で確認し、閉会しました。今回のように現役の国会議員を交えたワークショップは、私にとっても初めての経験で、大変刺激になりました。今回ワークショップで議論された僻地人材配置策が、どのように国民議会で法案となっていくのか、今後の展開が楽しみです。

文責 専門家(業務調整)岡安利治

【画像】

保健人材定着経験共有ワークショップ開会式 在ギニア迫日本国大使スピーチ

【画像】

ワークショップ会場内

【画像】

第2日 グループワーク