トーゴ国保健人材人事異動ガイドライン策定ワークショップ、GIZと共同開催

2018年11月29日

2018年11月26日から29日:トーゴ国ロメ市

現在仏語圏アフリカ諸国における保健人材管理分野では、人材をいかに地方や僻地に配置し定着させるか、異動及び配置の決定プロセスをいかに透明性を担保して民主的に行うかが重要な課題となっています。

主に後者の課題解決に資するツールとして、仏語圏アフリカ保健人材広域ネットワーク(Reseau Vision Tokyo 2010(以下、RVT))では、2015年12月コートジボワール国グランバッサムでのワークショップにて、RVT加盟国内共通の人事異動ガイドラインを策定しました(資料集参照)。この共通のガイドラインから各国の現状に合わせて改定し、ナショナルガイドラインを作成することが、RVTの重要な活動の一つとなっています。

今回、トーゴ国を対象とする人事異動ナショナルガイドライン策定ワークショップが実施されました。これは、2018年9月のRVT事務局役員選挙で選出された新事務局長カジャンタ・チャ氏(トーゴ国保健省人材局長)がイニシアティブをとる最初の活動となりました。新事務局長のGIZトーゴ事務所への働きかけにより、本プロジェクト開始以来初めてとなる、他ドナーとの共同開催が実現しました。

コートジボワール国、セネガル国、ガボン国、ニジェール国のRVTメンバー、トーゴ国全国6州から保健人材管理者や国家公務員としての保健人材採用を担っている公務員省代表、保健人材組合代表者、保健省関連部局やドナー(GIZ, JICA)から計38名が参加しました。トーゴ国の首都ロメ市のホテル会議室にて、4日間の日程で、他国から参加したRVTメンバーからの経験共有とトーゴでの現状を基に人事異動ガイドラインの骨子が作成されました。

今回の協議では、最初のポストに着任してから5年が経過しており、かつ現在のポスト着任後3年が経過していることを条件に異動申請が可能になるといった異動申請に関する制度、州レベル・中央レベルの人事異動協議会の設置、不服申し立て委員会の設置、複数の人材が同一ポストに応募した際の人事評価基準(現職が地方・僻地赴任の場合は点数が高くなる等)、それに対応する各種申請フォームなどについて協議されました。

トーゴにおいて保健人材の人事異動ガイドラインが承認され、施行に至るまで、トーゴ国保健省人材局が核となり、更に数回のワークショップや協議を進めていく必要があります。今回のワークショップの最終日(11/26)には、GIZトーゴ代表より、「トーゴにおける人事異動ガイドラインの施行までに必要な協力はGIZトーゴが行っていく」と宣言され、今後の展開にも大いに期待できる形で閉会となりました。

RVT加盟国での人事異動ガイドライン策定ワークショップは、2017年4月のモーリタニア国での開催、2017年10月のニジェール国での開催に次いで今回が3回目となりました。今回のワークショップでは、参加した他国のRVTメンバーが、グループワークにおけるファシリテーターを務めており、2010年の本邦研修参加時からこれまでのRVTとしての活動の中で経験を積み、大きな成長を遂げたメンバーの活躍する姿を見ることもできました。

文責:専門家(業務調整)岡安利治

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開会式(右からトーゴGIZ代表、トーゴ国保健省事務次官、筆者)

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参加者集合写真

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初日終了後に、第2日目に向けて打ち合わせをするRVTメンバー