県保健情報システム(DHIS2)/保健情報管理システム(SIG)研修を実施しました

2019年10月31日

県保健情報システム(District Health Information Software:DHIS2)は、保健情報の収集、伝達、分析、レポートなど保健情報を活用するためのプラットフォームです。世界60カ国以上で使用されており、セネガルでは、2014年に、保健情報の管理と活用を促進するためのツールとして正式に導入されました。このようなツールを適切に運用するためには、保健情報管理の概念の理解や、提出・承認の手順などの保健情報管理システム(Système d’Information à des fins de Gestion:SIG)の理解を深めることが求められています。PARSS2の活動では、DHIS2の運用能力とSIGの実践能力の強化のための活動を実施し、保健施設で収集される保健情報の質の向上を支援しています。

2019年7月~9月に、カオラック州とファティック州の州と保健区の管理チーム(94人)を対象にDHIS2/SIG研修を計3回実施しました。全5日間におよぶ研修は座学と実習で構成され、研修の学びを日々の業務に活かせるように工夫されています。保健情報システムの概論および各種患者登録台帳とグローバルレポートの記入・作成方法、DHIS2を使ったレポート出力方法、各種図表の作成方法や地理情報システム機能を活用したデータ分析について、講義と演習を行いました。一連の研修を通じて、研修受講者は登録台帳の正しい記入方法を学び、患者数や症例数を正しくカウントできるようになると、DHIS2を通じて報告される保健情報の質の担保へつながります。

さらに、DHIS2/SIG研修によって保健情報の質が向上することにより、PARSS2の他のコンポーネントとの相乗効果も期待できます。例えば、年間活動計画(Plans de Travail annuel:PTA)/多年度支出計画文書(Document de Programmation pluriannuelle des Dépenses:DPPD)コンポーネントでは、質の担保された保健情報を活用して活動計画の策定やパフォーマンス評価をすることで、より適切なPTAの運用ができるうえ、施設レベルでの適切な保健データ収集やタイムリーな情報の伝達が質の高いモニタリングを可能にします。

さらに、本研修では、PARSS2のリソース・保健情報管理ツール(OGRIS)を紹介するひとコマを設けています。OGRISが保健区や保健ポストでの保健情報の効率的な活用と管理をサポートする業務改善ツールであること、このツールはDHIS2の運用能力やSIGの実践能力を更に強化するとの理解が深まり、研修参加者からも現場でのOGRIS導入に対する要望が寄せられました。

今後は、DHIS2/SIGとOGRISコンポーネントの連携についてより具体的に検討し、今回の研修の定着率を把握するためのスーパービジョンや研修ツールおよび教材の改訂についてカウンターパートと協議していく予定です。

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グループ形式で演習問題に取り組みDHIS2や保健情報活用の理解を深めた

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OGRISの紹介とOGRISとDHIS2/SIGの関連に関する講義を実施