2019年保健データレビュー会合と2020年度上半期保健データ質検証ミッションを実施しました

2020年9月7日

PARSS2では、県保健情報システム(DHIS2)(注)/保健情報管理システム(SIG)コンポーネントの活動として、DHIS2の運用能力とSIGの実践能力の強化を通して、活動保健施設で収集される保健情報の質の向上を支援しています。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除された後、ファティック州にて2019年保健データレビュー会合と2020年度上半期保健データ質検証ミッションの実施を支援しました。

2019年保健データレビュー会合は、8月11日~14日に、保健社会活動省計画調査統計局の保健社会情報システム課(DSISS)、州医務局、ファティック州全7保健区の関係者と実施しました。本会合では、DHIS2から得られた保健区や州医務局の2019年のデータを検証し承認することを目的としています。

初日に、DSISS担当者が、各保健区によるDHIS2へのデータ入力状況とエラーについて説明しました。その後、1~3日目にかけて、指摘されたエラーについて、保健区ごとにグループワーク形式で修正作業を行いました。修正作業では、DHIS2の入力と関連してする各種台帳とグローバルレポートについても確認が行われました。そして、最終日の全体会合の場では、修正時の課題や今後の改善点について協議しました。課題として、保健情報の管理ツールが適切に運用・管理されていない保健施設が散見されること、年度途中に台帳が改訂されることがあり、施設によっては旧式台帳を使い続けていたり、台帳やDHIS2への変更内容が現場のデータ入力者に十分に周知されたりしないため適切なデータ入力ができないこと、保健施設でのデータ入力は正しいものの、DHIS2側のパラメーター設定に不備があり正しく指標が計算されないことなどが指摘されました。今後の改善点として、DHIS2プラットフォームのパラメーター修正、DHIS2データの質を担保するために、継続的な研修機会の提供、保健区レベル、州レベル、中央レベルでの適切なモニタリングの必要性などが強調されました。

翌週の8月18日~21日には、2020年度上半期保健データ質検証ミッション(スーパービジョン)を、ファティック州の全8保健区の中から選ばれた6保健区で実施しました。各保健区では、保健センターと保健ポスト2つを訪問し、事前に作成したスーパービジョンシートを用いて台帳の記入内容、グローバルレポートの作成・提出状況や、台帳の内容とDHIS2の入力内容の一貫性などをデータ管理担当者へのインタビューを通して確認しました。最終日に、保健区ごとにスーパービジョン結果を発表し、質疑応答と改善点について意見交換を行いました。

今回のミッションにより、月1回作成することになっているグローバルレポートを作成していない保健ポストが複数あること、台帳の記載内容とDHIS2入力データの整合性に問題のある保健ポストがあるなどの現状が明らかとなり、保健情報マネジメントを強化していくため、州・保健区、さらには保健ポストのSIGへの理解と人材育成の必要性が強調されました。

(注)DHIS2は、保健情報の収集、伝達、分析、レポートなど保健情報を活用するためのプラットフォームです。世界60カ国以上で使用されており、セネガルでは、2014年に、保健情報の管理と活用を促進するためのツールとして正式に導入されました。

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年間データレビュー会合:保健社会情報システム課担当者が、各保健区によるDHIS2へのデータ入力状況・エラーについて説明

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年間データレビュー会合:保健区ごとにDHI2入力データのエラーを修正

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保健データ質検証ミッション:ジョフィオール保健区のフィムラ保健ポストにて、台帳の記入内容を確認している様子

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保健データ質検証ミッション:保健社会情報システム課、州医務局、保健区メンバーで構成されるスーパーバイザーが6保健区の保健センターとポストを訪問