保健社会活動省合同スーパービジョンを実施しました

2020年12月18日

毎年11月末、セネガル保健社会活動省(MSAS)は、その年の保健セクター重点分野について、現状と課題の把握とその対策を検討するために、合同スーパービジョンを実施しています。省内のほぼ全部署と全国の州医務局の関係者が参加する重要なイベントです。本年のテーマは、1)ティエス州における保健開発委員会(CDS)の運用状況、2)サンルイ・ルーガ州におけるコロナ禍の保健サービス提供状況の2つです。PARSS2は、2019年に実施支援をした「ファティック州・カオラック州CDSスーパービジョン」(2019年10月21日付プロジェクトニュース参照)の経験と実績が評価され、MSASより、ティエス州にて合同スーパービジョンを実施する際の技術的支援が要請されました。

2021年11月23日から27日に、18のスーパービジョンチームを結成し、ティエス州の全9保健区を訪問し、CDSの文書管理、会議の実施状況、人材・予算管理などを確認しました。最終日には、ティエス州知事を議長に迎えて、結果の共有会議を行いました。共有会議では州知事に加えて、県知事、郡長、市長なども出席し、スーパービジョンから明らかになったCDSをとりまく課題の共有と保健セクターのローカルガバナンス改善に向けた協議が行われました。主な課題や改善策は以下のとおりです。

・旧保健委員会の体制が続いているCDSもあり、行政との連携が不十分なCDSがあった。市長と連携したモニタリング体制や総会、理事会が開催されていないことにより、持続的なCDSの運営ができていない。そのため、ガイドラインに定められている会議やモニタリングを実行する必要がある。
・CDSメンバーの契約や手当の支払い管理が不十分のため、ルールに従った運営管理方法を実行する必要がある。
・保健開発委員会活動計画(PACDS)の策定率は30%~80%で、各県ばらつきがある。さらにPACDSの内容を組み込んで策定することになっている地方自治体年次保健社会活動計画(POCT-SAS)は、低い策定率(17~44%)が確認された。全てのCDSが適切に計画を策定運用するため、PARSS2で作成支援をした「保健計画策定ツール運用ガイドライン研修」の必要性が提案された。

スーパービジョン終了後、合同スーパービジョンの計画・実施管理の担当部局であるMSAS計画調査統計局の局長などから、プロジェクトの貢献に対して謝辞が述べられました。今後は、「保健計画策定ツール運用ガイドライン」の研修の実施支援をとおして、CDSの強化に取り組んでいく予定です。

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スーパービジョンチームのンゲニエン市の市長への表敬

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合計27保健ポストと9保健センターのCDSに質問表を用いてスーパービジョンを実施した

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最終日の5日目には、共有会合が実施された。ティエス州知事が議長を務め、MSAS関係者に加えて州知事、県知事、郡長、市長など多くの人が参加し、CDSをとりまく課題と改善策に関する協議が行われた