パーボイルドライス

2007年9月19日

写真本プロジェクトを実施しているシエラレオネの主食であるコメの大半はパーボイルドライス(Parboiled Rice)として加工されてから食されています。農村の道路を車で走っていると、道ばたのシートの上で籾が乾されているのをよく見かけます。この籾が、パーボイルドライスです。

このパーボイルドライスは、古来よりインド、スリランカを中心に、その以西の国々で好まれ、生産されてきた伝統的加工米の一種で、今日では中東、アフリカ、ヨーロッパ、南北アメリカの一部でも生産されているコメです。その生産高は、世界の籾生産量約5億トンの20%にも達しているとの報告もあります(日本穀物検定協会)。

写真パーボイルドライスは、必要な量の籾を水に浸けて一晩吸水させて、翌朝にこれを蒸気で蒸して米でんぷんを糊化し、シートの上で乾燥したものです(写真1)。乾燥後、普通の籾と同様に精米機あるいは臼と杵で精米されて通常の白米になります。

日本穀物検定協会の資料によれば、でんぷんの糊化は、米粒の硬化を促進し、乾燥中の胴割れや精米中の砕米発生を抑制する効果があります。また、胚芽や糠層に多く含まれるビタミンやミネラルが白米部分に移行して、栄養価も高まる等の利点があることが確認されています。

パーボイルドライスには下記のような大きな特徴(長所)があります。

  1. 籾殻が剥れやすくなり、籾摺り作業が容易になる。
  2. 精白米中の砕粒が少なくなる。
  3. 炊飯後、長く置いても、粘っこくなったり、酸っぱくなったりしにくい。

写真パーボイルドライスの品質は

  1. 砕粒発生が減少し、精米歩留りが上がる。特に整粒が増加する。
  2. 精白粒は半透明になり表面に艶が出る。
  3. 米粒が硬化するので、昆虫の食害を受けにくくなり吸湿性も小さくなって貯蔵性が上がる。
  4. 原料の品種にもよるが、炊飯中多量の水分を吸って大きく釜殖えする。
  5. パーボイリング中にビタミンやミネラル類が胚乳部に移行することにより、栄養価が大きくなるなどがあげられます。

写真日本型の短粒種は、精米中に砕けることは少なく、籾摺りやとう精の段階での損失はほぼ一定しています。一方、長粒種では、砕米発生の原因の半分は、籾摺りやとう精の過程にあるとされています。

これらのことから、パーボイルドライスは、砕米を少なくして整粒収量を高めるために工夫されたもので、かつ主食とする米から十分な栄養を得ようとする食糧事情が、その普及に繋がったそうです。