プロジェクト概要

プロジェクト名

カンビア県農業強化支援プロジェクト

対象国名

シエラレオネ

署名日(実施合意)

2005年11月18日

協力期間

2006年2月1日から2009年3月31日

相手国機関名

(和)業林業食糧安全保障省(MAFFS)カンビア県事務所、ロクープル稲研究所

背景

シエラレオネ共和国では1991年から政府軍と反政府勢力との戦闘が続いていたが、1999年より国連派遣団(UNAMSIL)監督下でDDR(元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰)が進められ、2001年5月に政府と革命統一戦線(RUF)との間で停戦合意が成立してからは、社会・経済・治安状況は都市部を中心に徐々に回復している。2007年8月には大統領・議会選挙が成功裡に行なわれコロマ新大統領が誕生し、内戦終結以来、初の民主的政権交代を果たした。

熱帯雨林気候帯にある同国は、肥沃な土壌と豊富な雨量・日射量に恵まれ、稲作を中心にキャッサバやナッツ、サツマイモなど多くを栽培する農業ポテンシャルがある。本件対象地であるカンビア県は、人口約27万人の殆どが農業に従事し、1980年代まで米の輸出国として同国経済を支えた米の大生産地である。だが同県の問題は、内戦により備蓄庫や精米所、研究所などの農業関連施設が破壊され、現在は広大な水田・畑で小農家は手作業による農業を営んでいるため、生産高は内戦前に程遠い。例えば米は、精米機械等の欠如により、生産高の4割は処理されず収穫後の損失となり、他方、ソルガムやナッツなども堆肥の少なさから実入りが不十分である。加えて仲買人やギニア商人の搾取により結果として食糧自給の確立は愚か、端境期には主食の米の54%を高額な輸入米で賄っているほどである。

かかる状況に対し、農業森林食糧安全保障省(MAFFS)は、食糧安全保障政策(2002)を掲げて農業部門の再生に駆使するものの、予算や人員、計画策定や運営能力などの面においてMAFFSの実施体制はなお脆弱である。これと同様に、かつては西アフリカにおける研究拠点の一つであったロクープル稲研究所(RRS-R)にも内戦の傷跡は深く、研究施設や試験圃場が破壊され、現在も充分な研究を行なえる体制ではない。他方、ドナーの援助状況は、中央レベルではアフリカ開発銀行(AfDB)や国際農業開発基金(IFAD)によるMAFFSの実施体制強化や農村インフラの復旧と開発を目指したプロジェクトが実施され、カンビア県においては国連食糧農業機関(FAO)がFarmers Field School(FFS)を通じ、生産性向上に向けた技術協力を実施している。

MAFFSとの協議や事前調査を通じ、JICAは2006年2月より主要作物(米、キャッサバ、落花生)の食糧増産を目標とした技術協力プロジェクトを通じて、農業生態系に即した稲作中心の農業技術パッケージを確立し、その面的展開の方策を明らかにした農業技術ガイドラインを策定に取り組んでいる。

目標

上位目標

カンビア県において自給用の食用作物が増産され、食糧安全保障に寄与する。

プロジェクト目標

カンビア県における農業技術支援体制が強化される。

成果

  1. 農業省カンビア県事務所(MAFFS-K)の農業支援体制が改善される。
  2. 食用作物の生産性向上に必要な農業技術パッケージが作成される。
  3. 農民向けの農業技術支援ガイドラインが整備される。

活動

1-1.
農業省カンビア県事務所(MAFFS-K)とロクープル稲研究所(RRS-R)の実施体制を把握する。
1-2.
MAFFS-KとRRS-Rの業務実施に必要な資機材を調達する。
1-3.
営農状況・農村社会調査(ベースライン調査)を実施する。
1-4.
関連する専門分野別調査を実施する。
1-5.
MAFFS-KとRRS-Rの職員向けの研修を実施する。
2-1.
プレ・パイロット事業を実施する。
2-2.
パイロット事業の実施計画を策定する(対象村落とモデル農家の選定、および村落での合意形成)。
2-3.
パイロット事業に必要な資機材を調達する。
2-4.
農業技術パッケージ案を策定する。
2-5.
パイロット事業を実施し、モニタリングする。
2-6.
収穫後処理機械の導入計画を立てる(維持管理体制、収納庫の建設)
2-7.
野菜栽培のパイロット・トライアルを実施する。
2-8.
農業ステークホルダー向けの研修計画案を作成する。
2-9.
カンビア県における農業開発の方向性を検討する。
3-1.
農業技術パッケージの普及に必要な実施体制を検討する(体制、資金量、人材)。
3-2.
農業技術支援ガイドラインを策定する。
3-3.
終了時評価を実施する。
3-4.
シエラレオネ政府及びドナーに向けたプロジェクト結果報告セミナー(仮題)を実施する。

投入

日本側投入

  • 専門家(総括/農業開発/流通・マーケティング、副総括/普及/農民組織化、作物栽培指導(1)、作物栽培指導(2)、収穫後処理、女性グループ支援/業務調整 計69.93人月)
  • 機材(農機具(精米機)、備蓄庫資材(セメント、トタン)、車両、バイク等)
  • 現地業務費(研修、ワークショップ開催経費等)

相手国側投入

  • カウンターパートの配置
  • プロジェクト事務所および専門家住居提供
  • 事務・事業経費