プロジェクト概要

プロジェクト名

地域保健改善プロジェクト

対象国名

シエラレオネ

プロジェクトサイト

シエラレオネ国カンビア県
(プロジェクト事務所はカンビア県病院、県保健管理局内に設置しています)

地図(PDF/215KB

署名日(実施合意)

2007年6月12日

協力期間

2008年5月11日から2011年5月10日

相手国機関名

(和)保健衛生省

背景

シエラレオネ共和国(以下「シ国」)では1991年からの政府・反政府軍勢力間での継続的な戦闘後、2001年5月停戦合意成立、2002年1月大統領が内戦終結宣言をした。現在、緊急復興から開発の段階にシフトしつつあるが、人間開発指数は176位/177位(2006年)と著しく貧しい状況を脱していない。特に、保健衛生は、2005年の平均寿命41.4歳、乳幼児死亡数165人/千人、2004年の安全な水へのアクセス率57%(北部州41%)と最悪の状況にある。原因として、脆弱な保健行政、劣悪な保健サービスへのアクセス、内戦による保健インフラ施設破壊、医療従事者数・能力の不足、著しく低い農業生産性に起因する慢性的な栄養失調、不衛生な水の利用(カンビア県ロクープルの不衛生な水に起因する発病は全体の67%)等が考えられる。本プロジェクト対象地の北部州カンビア県では、EU・UNICEF・国境なき医師団等数多くの組織が医薬品・感染症対策ワクチン配布や対栄養失調児食糧支援等の緊急支援を行い、JICAも青少年支援・農業・給水等の協力を実施している。特に保健衛生分野では、2006年11月〜2007年2月にプロジェクト形成調査、2007年4〜5月に事前評価調査を実施し、以下の課題を確認、課題改善に向けたカンビア県保健行政能力強化を目的とし、2007年6月にR/Dを締結した。

カンビア県保健行政の課題

県保健管理チーム(DHMT):
  • 村落診療所(PHU; Peripheral Health Unit)からの情報・ニーズ分析、及び県活動計画策定能力の不足
  • 資金調達能力の不足
  • DHMT・PHU間の情報伝達システムの未整備
  • 情報分析・管理や関連資料保管のスペース不足
PHU:
  • 所轄コミュニティの状況・ニーズ調査・報告の機会・能力の不足
  • 一部PHU建屋の著しい老朽化(3)緊急移送システムの未整備

県保健衛生関連機関

  • District Health Committee:県保健行政の監督、DHMT立案県保健活動計画の承認・モニタリング
  • DHMT:県保健行政担当、県保健活動計画の立案・予算確保やPHU監督管理、コミュニティ教育促進等
  • PHU:県内50ヶ所設置、看護師・薬剤師・保健師助手等が勤務、巡回等による妊産婦ケア・プライマリヘルスケア、所轄コミュニティの状況・ニーズ把握とDHMTへの報告、コミュニティ教育実施
  • PHU Committee:各PHUに設置の運営支援住民組織、PHUのコミュニティ教育への補助やPHU運営監理等を行う。
  • 県病院:県内1ヶ所、2次医療提供、保健省から2008年から県に移管予定

目標

上位目標

カンビア県の保健衛生状況が改善される

プロジェクト目標

コミュニティのニーズに基づいた保健サービスを提供するためのカンビア県保健行政能力が強化される

成果

  1. DHMTのPHU管理・指導に関する能力が強化される
  2. DHMTおよびPHUの執務環境が改善・維持される
  3. DHMTおよびPHU間の保健情報伝達システムが構築され、効率的に運用される
  4. コミュニティのニーズに基づいた保健活動計画の策定に係るDHMTおよびPHUの能力が強化される
  5. DHMTおよびPHU、PHUコミッティ、DHC、保健省、保健関連ドナー間の連携が強化され、プロジェクトのアウトプットや教訓が共有・活用される

活動

1-1
プロジェクト開始時に活動内容共有への関係者ワークショップを行う
1-2
既存の県内コミュニティの保健衛生情報を確認、保健省指定項目内の未実施項目を整理した調査票を作成する
1-3
PHUが調査票調査を実施する(DHMTが導入中のCascade Systemを活用)
1-4
DHMTがPHUの調査をモニタリング・指導する
1-5
DHMT用のPHU提出各種報告収集チェックリスト・簡易マニュアルを作成する
1-6
PHUから集めた保健衛生情報の分析、コミュニティの状況・課題を確認する
1-7
一連の調査・分析の中で、情報の収集・共有・分析に係るDHMT・PHUのスタッフ能力やCascade System等組織体制等の妥当性を確認する
1-8
DHMTスタッフによる他県への視察旅行を実施、カンビア県保健行政の課題を把握する
1-9
県内PHU間での相互視察を実施、日常業務の課題を確認する
1-10
DHMTスタッフの研修計画を作成・実施する
1-11
同1-1から1-10の進捗状況・効果モニタリング・評価を実施する
2-1
必要最小限でDHMT執務室の改修を行う
2-2
活動に必要な備品を調達する
2-3
老朽化の著しいSherakafthとMapotolonのPHU建屋の改修を行う(DHC・コミュニティとのコストシェアリング(労働力の提供等)が前提)
3-1
DHMT・PHU間の無線・携帯電話の通信システムを構築する(急患緊急搬送にも活用)
3-2
DHMTの情報収集・分析に必要な保健情報センターを設置する
3-3
保健衛生情報分析への参考文献収集、同センターに蔵書する
3-4
毎月PHUからDHMTに提出すべき情報の報告書式と伝達システムを整備する
3-5
保健省がDHMT・PHU提出の各種報告を加工・活用するためのシステムを構築する
3-6
各種報告に基づいた県報告書を作成・公開する
4-1
各PHU・PHU Committeeとの協議の下、DHMTが地区毎(PHU単位)のニーズに応じた地区年間活動計画案を作成する
4-2
DHMTが同計画に基づいて県活動計画案を作成する
4-3
DHMTは県・地区毎の活動計画案をDHCに提出・説明、予算を申請する
4-4
DHMTがファンドや各種ドナーへのプロポーザルを作成・応募する
5-1
プロジェクト活動の進捗状況を共有・評価するため、年に2回、関係保健関連機関による会議を実施する
5-2
保健衛生活動への理解を促進するため、カンビア県に“保健の日”を制定、式典を実施する
5-3
プロジェクトから得られるアウトプットと教訓を関係者間で共有する

投入

日本側投入

  • 専門家(長期専門家「地域保健衛生計画/業務調整」:1名、短期専門家:2008年以降「保健情報システム」1名、2009年以降「コミュニティヘルス」1名)
  • 現地職員(プログラムオフィサー(長期):1名、ファシリテーター(長期):2名、秘書(長期):1名)
    ※現地採用者の構成は長期専門家が決定する
  • 資機材(保健情報センター設置、PHU建屋改修2ヶ所、車両、事務機器、保健情報システム等)
  • 第三国カウンターパート研修(ガーナやタンザニア等)

相手国側投入

  • カウンターパート
  • プロジェクト執務室
  • 運営管理費(シエラレオネ政府負担能力により柔軟に対応)