カウンターパート研修「ソロモン国における持続的森林資源管理能力強化」を実施しました。

2018年2月27日

2018年2月14日から10日間、プロジェクトの主要メンバーであるソロモン森林研究省事務次官、森林局長、事務次官補の3名が研修のために訪日しました。

研修は、1)日本の森林政策、森林から得られる経済効果を理解するとともに、日本の関係機関との連携を図る、2)日本の木材林産物の加工を視察し、原木丸太の輸出から付加価値を加えた木材加工品の輸出へと思考転換を図るとともに、非木材林産物の有効性も学習する、3)日本の植物園の管理を理解し、ソロモン国立植物園の今後の運営能力向上を図ることを目的として、JICA本部、農林水産省林野庁、国際熱帯木材機関を訪れて講義を受け、その後JICA中部へ移動して、国有林、公有林、組合林、植物園の運営管理について学習するとともに小径木の利用現場を視察しました。

日本の組合林の運営管理の学習として豊田森林組合を訪れ、豊田森林組合が取り組まれている活動を中心に講義を受けた後、実際に間伐が行われている現場を視察しました。研修員からは森林組合の運営のメカニズムに関して様々な質問があり、講師を務めていただいた豊田森林組合の役員の皆様と活発な意見交換を交わすことができました。間伐現場では、山主毎に林班が明確にされており、フォーワーダーと呼ばれる運材機やプロセッサと呼ばれる造材機など重機を使った実際の間伐作業の様子を見学しました。

非木材林産物の生産については岐阜県森林研究所を訪れて、シイタケや高原山椒の栽培を学習しました。三重県亀山市では、日本で日用品として使用されていた木桶や樽の製造現場を視察しました。

名古屋市立大学薬学部薬用植物園と東山動植物園では、日本の植物園の管理を学び、細部にまで亘り収益を上げる工夫がなされていることに、研修員は強い感銘を受けていました。

今回のカウンターパート研修は、これから持続的森林資源管理の能力強化に取り組むソロモン森林研究省にとって、様々なモデルケースを学び、森林研究省の将来像を描いてもらうための良い機会となりました。研修員は、ソロモンの森林資源管理促進への大きな期待を持ち帰り、プロジェクトはその期待実現のため、引き続きソロモン森林研究省に協力していきます。

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豊田森林組合の間伐現場視察

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岐阜県森林研究所での講義の様子

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小規模木材加工現場の視察

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東山動植物園の運営視察