プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)アッパーナイル州マラカルタウン社会経済インフラ総合開発及び緊急支援計画策定プロジェクト

対象国名

南スーダン

プロジェクトサイト

アッパーナイル州マラカルタウン

署名日(実施合意)

2011年10月18日

協力期間

2012年2月7日から2014年2月6日

相手国機関名

責任機関:南スーダン政府都市計画・インフラ省
実施機関:アッパーナイル州政府

背景

2011年7月9日独立した南スーダン共和国は長年にわたる紛争によってハード・ソフト双方の面において本格的な開発が必要であることに加え、2005年の包括和平合意以降、比較的治安が安定した首都ジュバタウンに開発が集中した結果、開発の恩恵を受けられない地域との格差が顕在化しつつあり、新国家開発に向けた課題は多い。

本プロジェクトの対象地であるマラカルタウンは、北にスーダン国と国境を接するアッパーナイル州に位置する、東西約3km×南北約8km、人口約12.6万人の都市である。1970年代の南北統一政府時代には浄水場、道路、港湾等の社会経済インフラが整備され南部スーダン3大都市の一つとして発展し、広くアラビア語による教育も普及していた。しかしながら、1980年代からの25年にわたる内戦の間にタウンを取り囲んで地雷が埋設され、インフラは荒廃し、多くの人材が国内外に流出した。さらに和平合意以降も、首都ジュバとの政治的・地理的距離や政情不安によって、南スーダン共和国政府及び諸外国による支援が届きにくい状況が続いており、人々の日常生活に支障をきたしている。

具体的には、あらゆる活動の前提となる安全な水を提供する浄水及び給水施設の絶対的不足、舗装率5%に満たないタウン内道路、埋没した雨水排水網、貨物の伸びにより輻輳著しい港湾、貧弱で非衛生な保健医療施設、街中にあふれる廃棄物、帰還民の流入等人口増加に伴う就業機会の確保、電力不足等、あらゆる社会経済インフラが不足している。

このような状況下、帰還民の流入は勢いを失わず、マラカルタウンは無秩序に拡大しつつある。このことから、一連の開発ニーズを整理し、プライオリティづけする総合開発計画の策定が必要とされている。また、ソフト面でも、各分野及び州全体として復興・開発の道のりを見通し、計画を立案し、そのための予算の確保・配分・実行・モニタリングを行う行政官の能力強化が重要な課題となっている。

こうした状況のもと、マラカルの住民生活の安定に欠かせない基礎的サービスの提供に必要なインフラと人材育成を含む総合開発計画策定を支援することは、国家建設ならびに政治的安定の観点から、独立を経た今極めて重要かつタイムリーである。

上位目標

マラカルタウンの住民が平和/独立によって促進される開発からの恩恵を享受する。
州政府の行政サービス提供能力が向上する。

プロジェクト目標

マラカルタウンにおける社会経済インフラ整備を通じて、人々が平和の配当を享受し、かつ州政府の行政サービスデリバリー能力が向上することを目的とする。具体的には、マラカルタウンにおいて、2022年を目標とした社会経済インフラ総合開発計画を策定したうえで、同計画において具体的プロジェクトの優先順位づけを行い、そのうち緊急性の高いプロジェクトの実施を支援する。合わせて、開発計画策定および緊急支援実施によるOn the Job Training、本邦・現地国内研修を通じ、持続的に州政府が総合開発計画を実施できる人材を育成する。

成果

マラカルタウンを対象に2022年を目標年次とした社会経済インフラ総合開発計画が策定される。
マラカルタウンにおけるインフラ開発の優先課題が明確化され、緊急性の高いプロジェクトが実施される。
アッパーナイル州政府において開発調査結果を活用し、インフラ整備を推進できる人材が育成される。

活動

1 マラカルタウン社会経済インフラ総合開発計画の策定

  • 1-1 現況分析
    • (1)開発計画をめぐる現状の把握及び分析
    • (2)社会経済インフラ現況及び事業のレビュー
    • (3)過去の開発事業レビュー
    • (4)地方行政
    • (5)タウンプロファイル策定
    • (6)地形図作成(1/2500)
    • (7)自然条件調査
  • 1-2 社会経済フレームの設定
    • (1)人口フレームの設定
    • (2)社会経済フレームの設定
  • 1-3 マラカルタウン開発ビジョンの策定
    • (1)社会/経済インフラ開発ビジョン及び戦略の策定
  • 1-4 マラカルタウン社会経済インフラ総合開発計画の策定
    • (1)2022年を目標年とした事業実施計画
    • (2)プロジェクトロングリスト(概略事業費積算含む)の策定
    • (3)戦略的環境アセスメントの考え方に基づいた環境社会案の比較・検討

2 緊急支援計画の策定および実施支援

  • 2-1 緊急支援計画の策定
    • (1)優先プロジェクトの対象候補のリストアップ
    • (2)優先プロジェクトのプロジェクトプロファイル(案件概要)の作成
    • (3)経済分析、財務分析の実施
    • (4)調達事情調査
    • (5)概略事業費の積算
    • (6)インパクト予測、目標設定、ベースライン調査
    • (7)IEEレベルの環境社会配慮調査
    • (8)プロジェクトの優先順位づけ
    • (9)プロジェクトの決定(緊急支援)
    • (10)中・長期的案件の提案支援
  • 2-2 実施支援
    • (1)技術調査(地形測量、自然条件調査等)
    • (2)環境社会配慮調査(実施監理、モニタリング実施支援を含)
    • (3)計画策定、対象施設の設計
    • (4)設計照査
    • (5)概略施工計画立案、入札準備(積算/入札図書作成)
    • (6)業者選定(入札、契約支援)
    • (7)実施(支援)、施工監理
    • (8)維持管理体制の構築支援
    • (9)評価と提言の取りまとめ
  • 2-3 コミュニティ事業
    • (1)LBTによるコミュニティ道路改善

3 社会経済インフラ整備のための人材育成

  • (1)セクター別人材育成計画の策定
  • (2)本邦研修の実施支援、評価
  • (3)現地研修の計画、実施、評価
  • (4)既存技術協力プロジェクトとの連携計画の策定