プロジェクト活動

1. プロジェクトについて

南スーダンは、内戦が20年以上わたって続いたため、首都ジュバにおいても道路や給水施設等の都市社会基盤の整備は十分とは言えません。道路については、修復を行っても、その後の維持管理が十分になされていないため、凹凸が激しく、道路の中央にさえ流水により洗掘された溝がある箇所が多数存在しています。

道路建設および維持管理に関わる各機関は、長期間の内戦の影響で、トラックの過積対策や道路用地等の道路管理も十分に実施できる状況にありません。また、各地の道路の現状把握のための調査、対策の立案、施工、維持管理に係る能力が不足しています。現地では新しい道路の建設のニーズが高い一方で、道路管理や道路維持管理の能力向上も緊急の課題となっています。本プロジェクトでは、道路管理を含む道路の維持管理に係る実施機関の能力強化を行うものです。本プロジェクトは、インベントリー調査、道路維持管理計画、道路管理、維持管理実施の4つの項目から構成されており、これらの項目について、2011年10月から2014年3月までの3年度で実施機関の能力強化を図るものです。1年目は、道路の現状を把握するためのインベントリー調査を中心に能力強化を図り、その他の項目については概略説明による理解促進を主要活動としている。2年目から3年目では、以下の点に主眼をおいて能力強化を行うものとしています。初期段階では日本人専門家の指導を中心とした実地訓練を通じて能力強化を図ります。並行して、道路維持管理に係る組織・予算管理などに焦点を当て実施体制の改善を行い、乏しい予算配布などの制約条件の下、実施機関が独力で維持管理作業を実践していけるような能力強化活動を行っていきます。これにより、修得された維持管理作業の継続的な実施が図られるものと期待しています。

インベントリー調査
コンピュータ管理によるインベントリー作成の実地訓練と実践
維持管理計画
維持管理計画と優先度策定(ショートリスト策定)に関する実地訓練と実践
道路管理
道路用地管理と交通量管理、軸重(過積載)管理を主体とする基本的道路管理の実地訓練と実践
維持管理の実施
維持管理に必要な最低限の機材調達を行い、その機材の操作訓練と実践を行う。日常維持管理については、道路清掃を中心とした実践を行う。保守・修繕といった定期管理や緊急時管理で必要な技術は、試験施工やパイロット事業を通じて実地訓練と実践を行う。さらに、将来的に道路維持管理を民間契約により実施するため、技術仕様や入札図書、契約図書作成に関する実践を行う。

2. 実施機関カウンターパートについて

カウンターパートの多くは内戦経験者であり、基礎的な土木技術や道路技術の知識が十分に無いことから技術力は非常に低い現状にあります。海外の大学などで道路技術を修得した技術者もいますが、そのほとんどは、中央省庁の道路管理機関(道路橋梁省)で道路管理の政策作成などの行政業務に携わっており、現場での道路管理・維持管理を実施する立場にはありません。プロジェクトでは、このような状況を考慮して、道路管理・維持管理の能力強化においては、理論の修得よりも、実践的な作業を中心に行い、実務上の能力強化を図ることが重要であるとの認識のもと活動しています。

カウンターパートの多くは基礎的知識が十分ではないものの、実務修得に対する熱意が高く、非常に熱心にプロジェクト活動に参加しています。内戦時代に就学機会のなかった青年層には30歳近くから大学へ進学する者もおり、非常に高い向学心が見られます。