番組制作研修始まる

2013年5月10日

組織強化プロジェクトの現場研修として、南スーダンTV・ラジオ(SSTVR)の番組制作担当者を対象にした「番組制作研修」が始まった。当面の狙いは、来年度以降、教育・啓発番組を放送すること、提案能力を高め、NHKが毎年行っている教育番組のコンクール「日本賞」に番組企画を提案することだ。
「番組制作の基礎」では、番組の種類や演出方法の違いによる特質をパワーポイントを用いて説明し、同時に取材方法や番組制作全体の流れを確認した。
「提案票の作成」では、番組提案票の必要性を説き、盛り込む要素を含め、書き方の基礎についてレクチャーした。参加者に具体的に提案票を作成させ、プレゼンさせた。SSTVRでは、個々の担当者の判断で番組が制作され、組織的なチェックや品質向上の取り組みがなされていないことが問題だ。
「構成表の作成」では、SSTVRのスタッフにとっては全く新しい「構成表」の概念を解説し、その必要性および作成方法について解説。「ジュバの交通問題」「ジュバの水問題」などについてポストイットを用いて番組の構成の立て方を指導した。
また、NHKワールドTVおよびNHKワールドラジオ日本の番組を視聴し、そのポイントを解説。テレビ英語番組およびラジオ日本の番組(英語・アラビア語)を視聴し、ポイントを解説した。
研修の中で、番組制作における課題について聞いたところ、設備機材面の不備不足に加えて、技能を備えた人材の不足や、業務のコーディネーション機能の欠如、コンプライアンスの不備、番組評価システムの不備など様々な課題が浮き彫りになった。
SSTVRには番組制作を行うための判断基準となる「番組制作ガイドライン」がない。今回、現状の課題と番組ガイドラインの必要性について検討し、問題意識の共有化を図った。
今回の研修では午前午後1時間半ずつのコースにのべ120名のディレクターが参加する予定である。

山下博央(番組制作)

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パワーポイントを用いて番組演出や番組構成などについての講義が行われた。

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毎回10名を超える参加者が集まり、英語に加えてアラビア語でも熱心な議論が繰り広げられた。