パイロット活動に向けた準備作業

2018年11月30日

2018年10月11日に開催した第1回合同調整委員会(JCC)の場で、日本側、スリランカ側の関係者がプロジェクト内容を相互に確認して以降、本格的にパイロット活動の実施に向けた準備作業を進めてきました。パイロット活動は、本プロジェクトの成果目標の一つである「漏水対策能力の向上」を実現するために行う活動の一つです。具体的には、選定したパイロットサイトにおいて、日本が長年の経験で培ってきた漏水対策技術を我々日本人専門家の指導、助言のもとに現地の状況に合わせてカウンターパートが実践し、その技術や効果を学ぶために行うものです。

現地調査

パイロットサイトは、西部州南部地域サポートセンターが管轄するパナドゥラ市の一部で、約7,000世帯が暮らす地域が選定されました。現場を管轄する技術職員によると、当該地域で月あたり10~30件の漏水報告が上がってくるとのこと。本活動では、今まで把握されていない漏水率の測定や放置されている可能性のある地下漏水も含めた効率的な漏水調査、漏水修理、データ収集などを行い、既存漏水対策の強化を図っていきます。現地は南北に地域を縦断する幹線道路があり、この幹線道路を含めいくつかの道路は交通量も多いですが、一歩中に入ると静かな環境が広がっており、場所に応じて活動時間の配慮が必要となりそうです。その他、給水管や水道メーターの設置状況、水圧、舗装種別、既設バルブの活用可否などについて現地調査を行い、調査結果に基づいて活動準備を進めています。

定例カウンターパートミーティング

本プロジェクトでは、カウンターパートによるミーティングが定例的に開催されます。これはJCCにおける相互確認事項の一つでもあり、プロジェクト活動の基礎的な場となっています。ミーティングには日本人専門家も参加し、パイロット活動の内容や目的の共有、必要な資機材の検討など、毎回活発な議論が行われています。活動の進捗に合わせて内容も変遷し、現在はパイロット活動の具体的な進め方やスケジュールの検討を行っています。

今後、準備が整い次第、パイロット活動を開始する予定です。一定期間後には適宜活動の評価を行い、より効果的効率的な活動となるようカウンターパートと共に検討することで、漏水対策能力の向上を促進していきたいと考えています。

名古屋市上下水道局
長期専門家

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プロジェクト 対象地域図

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現場調査前の打合せ

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パイロットサイト内の幹線道路

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定例カウンターパートミーティング

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パイロットサイト内の生活道路

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パイロットサイト内の生活道路