NWSDB研修能力強化に向けた準備作業

2019年1月7日

カウンターパートが抱えている課題や優れた点を確認し、今後の研修計画立案に役立てるために、カウンターパートが実施している漏水対策関連の工事及び既存研修のレビューをプロジェクト開始後から進めてきました。

本プロジェクトは成果の一つに「漏水対策に係る研修実施能力が向上する」があります。カウンターパート内では多くの研修が積極的に行われており、作業を開始した2018年10月末から約1か月の間に多数の研修を視察し、実際の状況を確認することができました。

漏水対策に係る研修視察

国家上下水道公社(NWSDB)は広い分野に及ぶ多くの研修を実施していますが、プロジェクト活動に関係が深いと考えられる技術研修の視察を行いました。研修を視察して最初に感じたことは、講師のレベルの高さでした。各講師は「参加者に指示するだけでなく、参加者の注意を引く、意見をもらう」といったインタラクティブな姿勢で講義を進めており、参加者への問いかけや質問への丁寧な回答等が多くみられる効果的なものでした。

本プロジェクトではトレーニングヤードにおける実践的な研修を実施していくことになりますが、Training of Traineeによる講師の育成及び育成した講師による研修の実施等の手法を取り入れ、彼らのような優秀な講師の技術力及び指導力をさらに伸ばしながらNWSDBの研修実施能力を強化していきたいと思います。

漏水対策に係る工事視察

工事現場を視察した結果、研修で指導されている作業手順が工事現場では十分に反映されていないことがありました。例えば、新規給水管接続工事の現場ではPE管をパイプカッターではなく鋸で切断していたためバリが残り、面取りも十分に行われていないことが分かりました。カウンターパートが実施している研修では、正しい管切断方法等を指導していることから、研修では正しい知識を提供している一方で、現場にはその効果が十分に表れていないという課題が見えてきました。これについて現場作業員やカウンターパートにインタビューしたところ、現場に適切な機材が不足していることや現場作業員に正しい施工の必要性が認識されていない等の問題がありました。

今後プロジェクトで企画する研修において正しい施工の有効性や、作業の際はサンダルを使わないなどの安全確保の重要性伝える必要があります。これら課題を丁寧に指導しながら解決し、適切な技術の促進及び安全面を含めた現場作業員の意識を改革することを目指して、研修計画の検討を進めています。

報告:コンサルタント専門家

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安全確保に欠ける管敷設工事の様子

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研修での作業手順が反映されていないPE管切断の様子

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PE管の切断面。バリ除去と面取りの無い管接続では、接着不足による漏水事故の恐れがある。

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NWSDB実施の研修の様子

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漏水探知機のデモンストレーションの様子

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金属探知機のデモンストレーションの様子