スーダン稲作開発幹部研修 in Japan

2012年11月10日

稲作(陸稲)への取り組みが始まったばかりのスーダン。プロジェクトでは、農民デモンストレーション圃場にて現場の普及員や農民に指導をする一方で、スーダンの農業政策を決めるトップマネジメントの人たちへの働きかけも積極的に行っています。その一環で実施したのが、「スーダン稲作開発幹部研修」です。

日程は以下の通りです。

10月27日 スーダン発
10月28日 日本着
10月29日 JICA本部(表敬訪問)、スーダン大使館(表敬訪問)、農林水産省(講義)
(神戸へ移動)
10月30日 JICA関西(ブリーフィング)、兵庫県庁(農政環境部、農政企画局にて講義)
10月31日 兵庫県農業大学校(講義)、兵庫県農林水産技術総合センター(見学)、播州農機(見学)
11月1日 JICA関西(講義)、JA兵庫六甲(見学)
11月2日 神戸中央市場(見学)、住友化学健康・農業関連事業研究所(見学)
11月3日 JICA関西(講義・討議・検討会)
11月4日 日本発
11月5日 スーダン着

参加者は、農業大臣5名(ゲジラ州、白ナイル州、ゲダレフ州、センナール州、北部州)、国家コメプロジェクト調整官、リバーナイル州農業総局長、連邦農業省国際協力投資局局長の8名で、中垣総括がフルアテンドで同行しました。

研修は講義形式のみならず、兵庫県の農業大学校、農林水産技術総合開発センターにおける見学の他、講義においても日本の稲作等農業の計画、研究、普及等に関するディスカッションにも多くの時間を割き、活発な議論の中で研修参加者の日ごろの課題意識が鮮明に出てくる結果となりました。

また、本研修期間中には、中垣総括ばかりでなく、ゲジラ州農業大臣や国家コメプロジェクト調整官との間で稲作振興の経験や考え方について、他の参加者が直接意見交換できる機会が多くありました。その結果、ゲダレフ州、センナール州、白ナイル州、北部州の農業大臣にとっては稲作振興における具体的な方向性を考える良い機会ともなり、ゲジラ州を中心とした関係6州間で、陸稲の導入・普及・振興のための情報技術習得のための緩やかな連合体を形成していこうとしています。そして研修終了後に、各州における稲作振興のための実施体制のてこ入れとして、各州の農業省の中に稲作課の新設も始まっています。今後のスーダンの稲作推進に向けて、実り多い研修となりました。

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兵庫県農政環境政策部長の説明を受講中

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播州農機(クボタ製品を取り扱いメーカー)訪問

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兵庫県農業水産技術総合センターで研修後関係者と共に記念撮影

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JA兵庫六甲の農家生産物の直売所を見学

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神戸中央卸売市場を見学

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兵庫国際交流センターを訪問して関係者と共に(後列中央が同センター斎藤理事長〔前同県副知事〕)

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JICA関西センターにて研修報告を終え、佐々木センター長、一時帰国中のJICAスーダン事務所森所長等と共に

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住友化学宝塚研究所を見学、農薬開発の説明を受ける大臣達