第1回「稲作開発フォーラム」

2013年2月17日

2月17日、第1回「稲作開発フォーラム」を実施しました。
スーダンの稲作(陸稲)は始まったばかりで、当プロジェクトではゲジラ州を初めとした計6州にて、スーダンでの陸稲の導入・普及に向けてその栽培試験、純系種子の生産、栽培指導、研修などを行っています。しかし、陸稲栽培には様々な課題があります。例えば、種子の確保、土地の均平化、水の管理、そして除草剤の確保などです。また、栽培した後も、収穫、精米技術、流通、販売と言った様々な段階があり、それぞれ課題があります。プロジェクトではこれらの課題をボトルネックイシュー(Bottleneck Issue)と呼んでいます。スーダンのコメ分野開発を進めていく上で、これらのボトルネックイシューを順に解決していく必要があります。
このボトルネックイシューを話し合う場として、官民の関係者を一同に会した「稲作開発フォーラム」を開催しました。

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フォーラム会場全体像

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フォーラムの冒頭にてスピーチを行う連邦農業副大臣

「稲作開発フォーラム」には連邦農業省副大臣を始め、ゲジラ州知事(前連邦農業大臣)、ゲジラ州農業大臣や各州大臣などの幹部、連邦農業省幹部、海外からは日本大使を始めマレーシア大使、パキスタン大使、アラブ連盟関係組織、JICAスーダン事務所長、FAO、世界銀行、IFAD、大学関係者、そして農薬や農業機械、種子生産・販売に携わる民間企業関係者など、官民合わせて計155名が参加しました。

中垣総括のプレゼンテーションを皮切りに、ハルツーム大学農業経済学教授、連邦農業灌漑省国家コメプロジェクト調整官、後藤稲作栽培専門家、ゲジラ州農業省稲作課長、農業研究所研究員、そして農業機械と農薬肥料を扱う民間企業(CTC:Central Trading Company)が、それぞれの課題を取り上げて発表を行い、白熱した議論が展開されました。

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プレゼンテーションを行う中垣総括

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同じくプレゼンテーションを行う後藤稲作栽培専門家

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7名の発表後のディスカッション・セッション。左から中垣総括、ゲジラ州農業大臣、国家コメプロジェクト調整官、CTC代表。

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会場からも質問・意見・提案が相次ぎ、白熱した議論が行われた。

このフォーラムで今後の優先課題として取り上げられたのが、「農薬や肥料等の資機材」、「純系種子の確保」、「トレーニング(普及)」、「種子増産とマーケティング」、「農業機械や器具/道具」の5つのボトルネックイシューでした。これらイシューの解決に向けて、スーダンの国としての取り組みとして「ロードマップ(工程)」作りのワーキンググループを設置する提案がなされました。ワーキンググループは、ゲジラ州知事が全体統括責任者となり、中垣総括、ゲジラ州農業大臣、ARC(Agricultural Research Corporation)の国家コメ研究調整官が全体調整をし、メンバーとして連邦農業灌漑省国際協力投資局長、アラブ農業投資開発財団、民間企業であるCTCの農業機械調整役などが参加する予定です。このフォーラムがきっかけとなり、官民が協力してスーダンの稲作推進に向けて本格的に動き出そうとしています。

なお、このフォーラムを27社のメディアが取材し、テレビ・ラジオ・新聞を通じてプロジェクトの活動と稲作推進に向けた取り組みがスーダン国内で大きく報道されました。