2013年7月17日
今年度もゲジラ州を中心に、センナール州、ゲダレフ州、白ナイル州、北部州、リバーナイル州の6州で陸稲栽培の技術指導と普及活動を展開します。
<陸稲栽培圃場適用試験>
陸稲栽培の圃場適用試験は、1)灌漑頻度試験、2)雑草防除試験、3)播種間隔試験、4)播種時期試験をゲジラ州で実施しています。昨年度も同じ内容の試験を実施し、農家に推奨できる結果は得られましたが、今年度は全ての試験でより精度の高い、統計的にも有意差の認められるデータの取得を目指し、準備から管理まで徹底していきます。すでに、播種時期試験の一部を除き、播種を終えています。この試験もNERICA-4品種を用いています。
<種子生産>
NERICA-4の純系種子の確保と種子生産技術の向上のため、ゲジラ州で種子生産モデル圃場を設けています。面積は20フェッダン(=約8.4ヘクタール)で、圃場の耕起、施肥、均平化、そして機械による播種作業をすでに終えました。
試験圃場の準備状況を確認する後藤、安藤両稲作栽培長期専門家(5月)
種子生産圃場の準備状況を確認する後藤専門家とゲジラ州農業省Ahmed稲作課長(5月)
<農民デモンストレーション圃場>
農民の圃場を利用し、農業普及員と農民に現場で指導しながら、陸稲栽培技術の向上と共に、農家圃場への陸稲栽培の普及を目指します。今年度はゲジラ州で9ヵ所、センナール州で5ヵ所、ゲダレフ州・白ナイル州・北部州・リバーナイル州でそれぞれ2ヵ所ずつ実施します。可能な限り、昨年度に栽培した農家に再び取り組んでもらうことにより、栽培技術の定着を図ります。1圃場の規模は原則2〜2.5フェッダン(=0.84〜1ヘクタール)(北部州のみ1フェッダン=0.42ヘクタール)とし、規模を追うのではなく、普及員・農民への着実な技術移転、そして単位面積当たりの高収量獲得に主眼を置いています。作付け4年目を迎えたゲジラ州では4トン/ヘクタールの収量を、作付け2年目のその他の州では3トン/ヘクタールの収量を目指します。各圃場では、土地の均平化や播種が始まっています。
農民デモ圃場(北部州Elfadlab Scheme)の農業機械による圃場均平化作業中(6月)
同左圃場において普及員と協議中の後藤専門家(6月)
同上圃場において普及員と協議中の後藤専門家(右から3番目)と中垣総括(右)(6月)
リバーナイル州の農民デモ圃場(メイン水路からの重力水による灌漑)
均平・区画割りの終わった農民デモ圃場をチェックする担当普及員達(ゲダレフ州Shuwak)
均平作業の終わった圃場でリーダーを中心に今後の作業を確認する普及員達(センナール州Kassab)
<第三国・本邦研修>
プロジェクトでは昨年度まで、ウガンダでの研修に計123名の農業普及員を派遣してきました。今年度も「ウガンダコメ振興プロジェクト=Promotion of Rice Development (PRiDe) Project」の協力を得て、陸稲栽培基礎研修(6月9日〜15日)に22名、同専門研修(4月15日〜26日)に8名の普及員を派遣しました。
また、今年度からエジプトでの研修も開始しました。コースは「農業機械」「雑草防除」「灌漑」「収穫後処理」の4種類です。農業機械と雑草防除コースは4月19日〜5月3日にかけて実施しました。参加者はそれぞれ15名、20名でした。「農業機械」「雑草防除」「灌漑」の3つのコースはEICA(Egyptian International Center for Agriculture)、収穫後処理コース(参加予定15名)はRTTC(Rice Technology Training Centre)により実施されます。
これら第三国研修に加えて、プロジェクトではJICAの本邦課題別研修にも毎年農業省のカウンターパートスタッフを派遣しています。今年度は12コースに12名を派遣予定です。
これらの研修を受けたスタッフが中心となってプロジェクト活動に積極的に参画しており、プロジェクトとしても、研修で得た知識・技術を現場で活用できるようにフォローしています。
草丈の計測と茎数のカウントの実地研修(ウガンダ基礎研修)
坪井専門家による「水ストレス試験」についての説明(ウガンダ専門研修)
播種機に関する説明(エジプト農業機械コース)
雑草防除に関する講義(エジプト雑草防除コース)