2014年度の活動開始(プロジェクト延長1年目)

2014年7月20日

2014年3月から2年間、当プロジェクトは延長期間に入りました。対象州は、これまでと同様の6州(ゲジラ、センナール、ゲダレフ、リバーナイル、北部、白ナイル)です。延長期間では2本の柱として稲作普及員の人材育成(国内外での研修、デモ圃場活動、モニタリング活動など)と適正稲作技術の開発(試験栽培、収穫後処理技術の開発、ARCの研究への協力など)を中心に活動していきます。

1)試験栽培

ゲジラ州では、幅広い適正陸稲栽培技術の確立のため、陸稲栽培適用試験をゲジラ州農業省園芸試験場の圃場(2.5フェッダン)において今期も実施します。具体的には、1)灌漑頻度試験、2)播種間隔試験、3)播種量試験、4)施肥試験(窒素量)の4つの圃場適用試験です。

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発芽直後の播種間隔試験圃場の様子。

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試験圃場で発芽率調査を行う普及員たち。

2)デモ圃場活動

デモ圃場活動では、農民への陸稲の普及という側面と共に、実際の栽培を通じての普及員の育成(OJT:On the Job Training)にも主眼を置いて活動しています。デモ圃場活動は全6州で実施します。今期のデモ圃場の作付け計画は下の通りです。

ゲジラ州: センナール州: リバーナイル州:
1. Wad Bahai(4.0 fed) 1. Morafaa(2.5 fed) 1. Almanassier(1.0 fed)
2. Area 44, Rahad Scheme
(2.5 fed)
2. Maiurno A(2.0 fed) 2. Atbara(1.0 fed)
3. Maiurno B(2.0 fed) 3. Alfadlab(1.0 fed)
3. Hosh(2.0 fed) 4. Kassab A(2.5 fed) 北部州:
4. Shibairab(2.0 fed) 5. Kassab B(2.5 fed) 1. Dongola Island(1.0 fed)
5. Wad Alhadad(2.0 fed) ゲダレフ州: 2. Garada(1.0 fed)
6. Abdelrahman(2.0 fed) 1. Al Fau(農業省圃場)(2.0 fed) 白ナイル州:
7. Faris(2.0 fed) 2. Al Fau(農家圃場)(2.0 fed) 1. Kosti A(3.0 fed)
8. Goz Alihead(2.0 fed) 3. Shuwak(2.0 fed) 2. Kosti B(3.0fed)

fedはfeddan(フェッダン)の略でacreの意味(1feddan≒0.42ha)

ゲジラ州では6月に播種を終えました。他の州は圃場準備をし終えてこれから播種を行う、もしくは播種後間もなくの状態です。

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ゲジラ州Wad Bahai圃場の栽培農家。灌漑後の圃場の様子。

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ゲジラ州Area44圃場。播種後の初灌漑の様子。

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ゲジラ州Wad Alhadad圃場で、除草作業を行う普及員たち。

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センナール州Maiurno A圃場で稲作課長と担当普及員たちに指導する後藤専門家(右から2人目)。

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ゲダレフ州Al Fau(農家圃場)。出芽は概ね良好。大臣(中央)はじめ、担当普及員らと圃場視察を行う中垣総括(右から3人目)。

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リバーナイル州Atbara圃場。圃場は均平作業が終わり、播種前の段階。中垣総括が普及員や農民に、区画割りの重要性や播種後の水管理について説明している様子。

3)モニタリング活動

今期から、実際の陸稲栽培を通しての専門家によるOJTに加えて、モニタリング活動を導入します。具体的には、稲作普及員を5名ずつのチームに分けて、各チームが1圃場を担当します。そして各自担当の圃場の「アクションプラン」の作成を行い、それに基づいた栽培モニタリングの実施を「農業日誌」をベースに行います。今期終了時には、評価も行います。これにより各普及員が栽培上の計画、実施、モニタリング、評価の一連の流れを把握でき、業務上の問題点を発見し、その解決策を自ら考えることができるようになる、というのが目的です。

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ゲジラ州でのモニタリング会議の様子。毎月始めに稲作課と各圃場リーダーによる会議を実施することになった。

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ゲジラ州での各圃場でのモニタリングの様子。右から3人目はプロジェクトスタッフのDr. Hassan。研修計画・モニタリングが専門である。

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センナール州Maiurno Bで担当普及員たちに今後の指示を与える後藤専門家(中央)。

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センナール州のチームリーダー普及員らと進捗状況や課題の把握をヒアリングし、今後の作業について確認を行う松田専門家(左端)とDr. Hassan(手前右)。

当ウェブサイトの英語ページに掲載しているNewsletter No.9にも、今期の活動開始の様子が多くの写真と共に載っていますので、あわせてご覧ください。