第三国研修(ウガンダ、エジプト)

2014年9月20日

今年度もウガンダとエジプトで、稲作普及員のための第三国研修を実施しました。ウガンダでは1コース、エジプトでは3コースを企画しました。さらに農業省幹部クラスのためのエジプト視察型研修も行い、合計で71名の普及員・職員が研修に参加しました。

1)ウガンダでの陸稲栽培専門研修

本研修は、「JICAウガンダ共和国コメ振興プロジェクト」の協力により、2010年のプロジェクト当初から基礎と専門の2種類の研修を継続的に実施してきました。稲作を知らないあるいは実践したことのないスーダン人普及員が、包括的な研修を受講することにより稲作全般を短期間で修得できる研修です。
今期は6月23日から7月4日にかけて専門研修を実施しました。参加者は関係6州から計15名の普及員を選抜しました。研修内容は、収量調査、種子生産、肥料量の計算、播種、雑草除去、異品種の見分け方、精米、品質管理、農業機械等の多岐に渡る分野であり、講義と実習を交えながらの研修でした。またフィールドトリップでの実際の農家の圃場の見学や精米の工場見学なども行いました。
同専門研修の受講者は、一定以上のレベルの普及員として、研修で得た知識・技術を各圃場での陸稲栽培に生かし、かつそれらを他の普及員に伝達・指導していけるよう、スーダン国内でのOJTも心がけていきます。

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プロジェクト内の圃場で稲の解説をする坪井専門家(右端)と研修員たち。

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収量の計算方法を指導する宮本専門家と研修員たち。

2)エジプトでの水管理研修と雑草防除研修

水管理(灌漑・排水)と雑草防除は陸稲栽培における最も重要な技術の1つです。研修の目的は、水管理:栄養成長期から生殖成長期によって異なる水の要求量など、水管理の重要事項を学ぶこと、雑草防除:除草剤を用いた除草、機械による畝間除草など、様々な除草を学ぶこと、です。それぞれの研修に15名ずつを6州の普及員より選抜し、8月1日〜15日にかけて、エジプトのEICA(Egyptian International Center for Agriculture)とRRTC(Rice Research and Training Center)の協力の下、実施しました。

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RRTCの灌漑時期・頻度・水量比較試験圃場での実習。(水管理研修)

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灌漑水のEC値の測定実習。(水管理研修)

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回転式中耕除草機の説明・実習。(雑草防除研修)

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RRTCによるデモンストレーション農家圃場訪問。(雑草防除研修)

3)エジプトでの稲収穫後処理研修

同じくエジプトで、RTTC(Rice Technology Training Center)の協力の下、9月1日〜15日にかけて稲収穫後処理研修を実施しました。普及員の中でも農業機械に長けているものやエンジニアを6州から12名選抜しました。稲収穫後処理技術とその向上はスーダンの稲作推進のためには必要不可欠なものです。同研修では、稲の収穫後の全てのプロセスをカバーしながら、収穫時のロスの軽減、精米機の設置、精米の品質管理、貯蔵、商品化する際のパッケージングなど、各工程の技術を学びました。

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稲収穫後処理研修での講義の様子。

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同研修での精米施設見学の様子。

4)「エジプト米生産事情視察型」研修

最後に、今期は上記の稲作普及員対象の研修に加えて、農業省の幹部を対象にした視察型研修も実施しました。エジプトはスーダンの隣国であり、その米の生産性(10トン/ha)に関しては世界一です。研修の目的は、エジプトにおける稲作栽培とその促進への取り組み方に理解を深め、その経験から学び、スーダンの稲作分野開発に貢献するためです。
EICAの協力の下、8月1日〜7日にかけて実施しました。参加者は、連邦農業灌漑省次官や対象6州の農業総局長など、計14名でした。

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RRTCの耐旱性比較試験圃場の訪問。

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生産種子処理施設の見学。