2014年12月8日
今年度は、ゲジラ州以外にも、ゲダレフ州(11月3日)、リバーナイル州(11月9日)、そしてセンナール州(11月12日)で収穫祭が行われました。
それぞれの収穫祭については、当ウェブサイトの英語版ページに掲載しているNewsletter No.13と14に、さらに写真などが載っていますので、そちらもご覧ください。
ゲダレフ州では今期から初めて農民と共に陸稲栽培を行いました(昨年までは農業省下の圃場)。その農民圃場で同州初の陸稲の収穫祭が行われました。収穫祭には同州農業大臣、センナール州財務大臣(同州農業大臣代理)、国立農業試験研究機構(連邦農業省下の機構)のゲダレフ支場の研究者たちなど、150名ほどが集まりました。
コンバインハーベスターでの収穫から精米までをデモンストレーションして、参加者に稲の刈取と精米の様子を紹介しました。その後、同州農業大臣や中垣総括、圃場の農民らがスピーチを行いました。ゲダレフ州農業省は、陸稲栽培をさらに支援していくと宣言し、この収穫祭の様子(中垣総括の個別インタビュー含む)は、翌日に国営放送の全国版ニュースで15分間の特番として報道されました。
ゲダレフ州Al Fauの農家圃場で、コンバインハーベスターによる収穫のデモの様子。
収穫されたばかりの籾を精米する様子。
圃場の横に設置されたテント。収穫祭の会場の様子。大臣など各要人がスピーチを行った。
スピーチする中垣総括。
リバーナイル州でも、初めての陸稲の収穫祭が開催されました。同州農業大臣をはじめ、スキームマネージャー、普及部長、担当普及員など農業省関係者の他、多くの農民も集まり、計約50名が参加しました。
リバーナイル州Atbaraの会場の様子。左奥の青い防鳥ネットがかかっている場所がデモ圃場。
スピーチする同圃場の栽培農民。
続いて、センナール州でも収穫祭が開催されました。同州での収穫祭は昨年に続いて2回目でした。同州知事や農業大臣、ゲダレフ州農業大臣、JICAスーダン事務所大竹次長なども参加し、参加者は400名におよびました。刈り取りと精米のデモンストレーションの後、主要なゲストのスピーチがあり、同州の知事や大臣などからは、センナール州に陸稲栽培を導入し、継続して技術協力をしているJICAへ感謝の辞が述べられました。また「陸稲はセンナールの土地・気候に陸稲が合っている」という意見も述べられました。
センナール州の収穫祭で、コンバインハーベスターによる刈り取りデモの様子。(Kassabデモ圃場)
収穫後、籾殻を取り除く作業のデモ(中央、半そで白い服が同州知事、知事の左側が同州農業大臣、知事の右側が中垣総括)。
収穫された稲穂の一部を知事に手渡す農民と普及員。
プロジェクトの協力を称え、大竹次長に贈り物を手渡す同州知事(中央、知事の左がゲダレフ州農業大臣)。
最後に、収穫後処理関連の活動を紹介します。陸稲の収穫期(10月前後)から、収穫後処理を専門とする徳本専門家を毎年派遣しています。今期は10月24日〜12月7日まで派遣しました。
稲を栽培して収穫した後には、籾を選別して白米にするまでに脱穀や精米などの数々の処理プロセスがあり、プロジェクトではその技術指導も行っています。現在の収穫後処理の課題の中で特に大きなものを挙げると、1)乾燥地であるための胴割米の発生、2)精米機の組立・運転の技術不足、の2つです。
1)の胴割米の発生を防ぐために、「収穫適期」として米の水分含有率が20%以上の時に収穫することを指導してきました。今期はかなり改善されたものの、しかしそれでも収穫後1週間で水分含有率が14%を切るため、さらに高い24%以上での収穫や、乾燥を防止する貯蔵方法の模索が今後の課題です。
2)の精米機の組立・運転は、2012年から継続して指導をしています。プロジェクトがスーダン側に供与した精米機は22台あり、各州に振り分けていますが、そのうち21台の組立を今年までに完了しました。それに加えて、精米機のモーターやベルト部分が剥き出しで危険なため、安全カバーを製造しました。
12月4日にはゲジラ州でセミナーを開催し、今期の活動報告と次年度に向けた課題の整理を行いました。
担当普及員らによる精米機の組み立てを指導・監督する徳本専門家(右)(北部州)。
電動モーターへのケーブル接続について担当普及員らに説明する徳本専門家(右)(ゲダレフ州、Shuwak)。
安全カバー(青色)を取り付けた精米機。
普及員によるサンプル米の分析作業の様子。