2012年7月9日
プロジェクト活動の2つの大きな柱の1つである「陸稲栽培の導入と拡大」に向けて、関係する6州(ゲジラ州、ゲダレフ州、センナール州、白ナイル州、リバーナイル州、北部州)の農業大臣との協議を経て、2012年の陸稲栽培の播種準備が始まっています。
陸稲栽培の専門家として後藤、安藤の2人の専門家が引き続き活動しています。彼らはゲジラ州の州都ワドメダニに住居を置きながら6州全てをカバーしています。一番遠い北部州ではワドメダニから約700km、隣接州のゲダレフ州とセンナール州でも約100kmの所に位置しています。
ゲジラ州の陸稲栽培は、農民圃場への適用試験が1ヶ所(1ha)、種子生産が1ヶ所(34ha)、農民圃場が9ヶ所(18ha)です。他の州では各州3ヶ所(センナール州のみ2ヶ所)で、計14ヶ所(約10ha)となっています。
2人の専門家はスーダンに陸稲栽培を導入・定着・拡大していく為に、各州の農業普及員や農民を巻き込みながら活動しています。また共に活動する農業普及員等が陸稲栽培技術を習得するための研修をスーダン国内で実施するのみならず、隣国のウガンダ(陸稲栽培が盛ん)や日本での研修に派遣する等の活動も行っています。
リバーナイル州において、今期のデモンストレーション圃場候補地を農業省スタッフらと訪問し、農民と意見交換する中垣チーフアドバイザーと安藤専門家(2012年1月)。
北部州の農業省スタッフおよびARC研究者に対して、「陸稲栽培」のキーポイントについて後藤専門家がプレゼンを実施(2012年5月)。
ウガンダでの研修において、坪井専門家の指導の下、坪刈り(3m2)収量調査の実習を行う研修生(2012年5月)。
ゲジラ州において、専門家や普及員が見守る中、供与したトラクターでデモンストレーション圃場のレベリング(均平)を急ピッチで実施中(2012年6月)。
もう1つのプロジェクト活動は、「連邦農業省の実施能力強化」です。この活動は同省の人材の能力強化、組織強化活動と情報管理改善活動を通じて、人材育成のシステムを構築し同省の業務実施能力を強化していこうというものです。
この活動では、これまでの2年間で個人の能力強化のため、プロジェクトサイクルマネジメント(計画・立案、モニタリング・評価)、マネジメント(リーダーシップ、交渉、調整)、フィージビリティスタディなどの研修を実施してきました。この活動の延長線上で3年目は、さらに上級の課題;1)農業政策、2)戦略的経営、および3)品質管理の各研修を実施します。
組織強化活動も継続しており、5部署(技術移転普及局、園芸局、計画経済局、国際協力投資局、訓練課)を対象に各部署が取り組む活動を支援し、その定着を図っています。情報管理改善活動も、担当の山田専門家の提案に沿って、農業省内のウェブ導入やネットワークの構築に向け活動を展開しています。
農業省内の組織強化活動に向けて、2012年度の活動目標策定に取り組む職員と石垣専門家(左奥)、ハサン研修講師(その右)、小野里専門家(右奥)。(2012年1月)
石垣専門家指導の下、和気あいあいと課題の分析に取り組む職員たち。(2012年1月)
分析し終えた昨年度の課題と2012年度に向けた改善点を協議する職員たち。(2012年2月)
2012年度のアクションプランを策定する職員たち。(2012年2月)