プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)「農業再活性化計画」実施能力強化プロジェクト
(英)Capacity Building Project for the Implementation of the Executive Programme for the Agricultural Revival

対象国名

スーダン

プロジェクトサイト

北部スーダン ハルツーム州、白ナイル州、ゲジラ州、カッサラ州

署名日(実施合意)

2010年1月21日

協力期間

2010年3月31日から2016年3月30日

相手国機関名

(和)スーダン統一政府 農林省
(英)Federal Ministry of Agriculture and Forestry, Government of National Unity, The Republic of Sudan

背景

スーダンでは1999年以降の石油採掘によってGDP成長率が6%以上で継続的に伸び、2007年には10.5%の成長率に達した。しかし、2008年に は原油の国際価格の急落により成長率は低迷し、現在、石油収入に依存する財政の建て直しが急務となっている。非石油輸出の大部分を占める農業セクターは GDPの約35% 、労働人口の約60% を占めており(2007年データ)、農業セクターは同国の開発の重要な鍵となっている。

その一方で、同国の農業生産は長期に渡って停滞しており、主要作物であるソルガム、小麦、ゴマ、綿花、落花生の生産量・収穫面積は停滞あるいは減少の傾向 である(1991年〜2005年データ) 。近年では、小麦の国内消費量が急激に伸び、年間100万トン以上を輸入しており、農畜産品の輸出額が年々減少する一方、輸入額が増加している。

スーダン政府は、石油への過度な依存により経済全体が崩壊するリスクへの対策として、農畜産物の輸出振興や貧困削減、食糧安全保障を上位目標に掲げた「農 業再活性化計画(Executive Programme for Agricultural Revival)」を2008年4月に農業分野の国家戦略として策定した。同計画では、ダムや灌漑水路の整備、農作物の栽培面積の倍増、園芸生産の拡大な どによって農業の生産性および競争性を向上させるとしている。しかし、1956年の独立以来、幾度にも亘って策定されてきた農業開発計画の実施は依然とし て限定的であり、その背景には政府機関の行政能力や開発計画の策定及び実施能力の低さが指摘されている。

このため、同国の農業セクターの活性化のためには、農業開発計画の実施の中心的な役割を担う統一政府農林省及び各州の農業灌漑省のキャパシティ・ディベロップメントが急務となっている。

目標

上位目標

スーダンにおける農業行政サービスの質が向上する。

プロジェクト目標

「農業再活性化計画」の実現に必要な統一政府農林省及び関係機関のキャパシティが向上する。

成果

  1. 統一政府農林省の人材育成モデルが構築される。
  2. 統一政府農林省の情報共有システムが構築される。
  3. 稲作技術パッケージの開発が行われる。
  4. カッサラ州における農牧業の活性化のためのアクションプランが作成される。
  5. 成果1〜4に係る活動の実施過程を通じて統一政府農林省及び関係機関のプロジェクトサイクルマネジメントに係る能力が向上する。

活動

1-1
人材データベースを作成する。
1-2
研修に係るニーズを分析する。
1-3
部署及び職員のTORの明確化、評価を行う。
1-4
上記1-2、1-3に基づいて研修計画を立てる。
1-5
上記1-4に基づいて研修を実施する。
  • 基礎研修(基礎ITスキル、プロジェクトマネジメント、報告書作成、ファイリング、英語、リーダーシップ)
  • 専門研修(特定のテーマについての研修)
1-6
研修の評価を行う。
1-7
評価結果を研修計画へフィードバックする。
2-1
データ収集・管理・加工に関する研修を行う。
2-2
データ収集・管理・加工に関する職場内技能訓練(OJT)を行う。
2-3
農林省内及び各州農業省との通信システムを確立する。
2-4
農林省内の情報リソースセンターを整備する。
2-5
上記情報リソースセンターの運営管理に係るOJTを行う。
3-1
稲作開発ワーキンググループを結成する。
3-2
農業研究機構において(ネリカ米を含む)推奨稲作技術の開発を目的とした試験研究を実施する。
3-3
稲作適地において上記の推奨技術の実証及び普及を行う。
3-4
稲作技術に係る研修・人材育成を行う。
3-5
コメ生産の経済・制度面に係る分析を行う。
3-6
上記3-1〜3-5に基づいてワーキンググループを通じてF/S報告書を作成する。
4-1
カッサラ農業開発ワーキンググループを結成する。
4-2
カッサラ州における農牧業に関して現状分析及び改善策の検討を行う。
4-3
カッサラ州内における生活調査(ベースライン調査)を行う。
4-4
上記4-1および4-2を踏まえカッサラ州における農牧業の活性化を目的としたアクションプランを作成する。
5-1
成果1に係る活動においてPCM(計画立案・モニタリング・評価)基礎研修を実施する。
5-2
成果3及び4に係るパイロット活動をモデルケースとしてPCM(計画立案・モニタリング・評価)ワークショップを実施する。
5-3
成果1〜4に係る活動の評価結果及び教訓を分析し次期計画策定に反映する。

投入

日本側投入(総額 約5.2億円)

  • 専門家派遣:
    • 長期専門家
      • 農業政策アドバイザー/リーダー:1名 (年間10M/M程度)
      • 研修/コーディネーター:1名 (年間12M/M程度)
      • 稲作栽培:1名(年間10M/M程度)
    • 短期専門家(年間18M/M程度)
      • 人材育成・組織強化のための特定技術専門家
      • 畑地灌漑、病虫害、土壌、収穫後処理、農業開発、園芸栽培
  • 研修生の受け入れ
    • 本邦、ウガンダおよび近隣諸国における第三国研修
  • 資機材の供与
    • 簡易試験圃場、展示圃場の設置
    • 試験に必要な機材
      (はかり、もみ水分計、GPS、オートレベル、巻尺、小型ポンプ、脱穀機、精米機、農機具、農薬、肥料、気象観測機、簡易分析機器等)
    • トラクター
    • 車両3台(4WD)
    • コンピューター
    • 撮影機材(ビデオカメラ、デジタルカメラなど)
    • 普及用備品

相手国側投入

  • C/P配置(農業省本省、パイロット活動関係者)
  • サポートスタッフの配置
  • 事務所スペースの確保
  • ローカルコスト負担
  • パイロット活動経費の確保(一部)