プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)水供給人材育成プロジェクト・フェーズ2
(英)Human Resources Development for Water Supply in Phase 2

対象国名

スーダン

プロジェクトサイト

ハルツーム、センナール州、白ナイル州

署名日(実施合意)

2011年8月14日

協力期間

2011年11月4日から2015年9月30日

相手国機関名

(和)国営水公社
(英)Public Water Corporation

背景

スーダン(以下「ス」国)の安全な水へのアクセス率は1990年に65%を記録したものの、国内の混乱により現在は57%とサブサハラアフリカの平均程度まで落ち込んでいる。国家25カ年給水計画(2003〜2027)では、過去の実績から向上のポテンシャルはあるため、同アクセス率を2027年迄に100%にすることを目指し、給水施設の整備が進められている。「ス」国において、給水事業にかかる責任・権限は従来、国営水公社が有していたが、2007年から実施された地方分権化政策により各州の水公社に委譲され、国営水公社の役割は給水政策の策定、州を跨る大規模給水施設建設などに限定されることとなった。一方、各州水公社では人材開発がほとんど行われておらず、そのため責任や権限が委譲されたにも拘らず、給水施設の整備や維持管理に支障をきたす状態であった。これら状況を受けてJICAは2008年6月から2011年3月(2年9ケ月)まで、「水供給人材育成計画プロジェクト」を実施し、各州水公社の中核となる技術者の育成のために国営水公社の傘下にある国営水公社研修センター(以下、研修センター)の設立と機能の強化を支援した.その結果、研修センターは浄水場の維持管理や井戸改修などの各種研修コ-スを円滑に実施することができるようになり、同プロジェクト期間中に延べ440名を超える研修員を受け入れた.同プロジェクトでは一定の成果が達成されたものの、1)プロジェクト立ち上げ当初の治安面での懸念により各州の現状調査が難しく、現地のニーズを研修の優先順位に適切に反映し切れなかったこと、2)中長期的な全国の給水人材の育成計画の精練化が必要であること、更には3)「ス」国は広大な国であり、中央での中核人材に対する研修のみでは効果を地方全体に迅速に波及させるには限界があること、といった課題が残っている状況にある。

このような現状を受け、「ス」国政府は我が国に対しプロジェクト.のフェーズ2として、上記の三つの課題等に取り組むべき内容の「水供給人材育成プロジェクト・フェーズ2」(以下「本プロジェクト」)を要請した。これを受けてJICAは2011年2月に詳細計画策定調査団を派遣し本プロジェクトの概要に関する合意を形成し、2011年8月に国営水公社とJICAスーダン駐在員事務所の間で討議議事録(R/D)を署名・交換した。

目標

上位目標

スーダンにおいて給水施設が適切に維持管理されるようになる。

プロジェクト目標

スーダンにおいて給水人材が適切に育成される。

成果

  1. 研修センターで中・長期人材育成計画に則った研修が実施される。
  2. 研修センターによる支援のもと、パイロット州水公社における研修実施体制が確立される。
  3. パイロット州水公社のもと研修実施と給水施設維持管理のモニタリング体制が確立される。
  4. 研修センターによる支援のもと、全国の州水公社における研修実施体制が整備される。

活動

1-1
研修センターが中・長期人材育成計画(案)を策定する。
1-2
研修センターが州水公社の研修ニーズを把握し、優先順位を付ける。
1-3
研修センターが中・長期人材育成計画(案)に則り、優先順位を反映した研修実施計画を策定する。
1-4
研修センターが研修実施計画に沿って研修を実施する。
1-5
研修センターが研修実施の評価結果を行う。
1-6
研修センターが評価結果を基に既存の研修コースカリキュラム、テキスト、マニュアルの改訂を行う。
1-7
研修センターが研修センターの拡大に応じて研修キャパシティーを強化する。
1-8
研修センターが中・長期人材育成計画を策定し、国家の承認を得るよう働きかける。
2-1
研修センターは以下の州水公社の取り組みへの支援を通じ指導力を強化する。
2-2
パイロット州水公社が研修ユニットを設置する。
2-3
パイロット州水公社は州事業実施計画(案)を策定する。
2-4
パイロット州水公社が研修ニーズを把握し、優先順位を付ける。
2-5
パイロット州水公社が優先順位を踏まえた研修実施計画を策定する。
2-6
パイロット州水公社の研修ユニットが研修コースカリキュラム(実研修を含む)とテキストを開発する。
2-7
パイロット州水公社の研修ユニットが研修を実施する。
2-8
パイロット州水公社の研修ユニットが研修の評価を行う。
2-9
パイロット州水公社の研修ユニットが研修評価結果をもとに、研修コースカリキュラムとテキストの改訂を行う。
2-10
パイロット州水公社は、州事業実施計画(案)のモニタリングを踏まえ、州水公社研修実施計画に反映する。
3-1
国営水公社、パイロット州水公社において、モニタリングユニットを設置する。
3-2
パイロット州水公社が行うモニタリングのマニュアル(案)を国営水公社が作成する。
3-3
パイロット州水公社が給水施設維持状況のベースライン調査を実施する。
3-4
パイロット州水公社はモニタリングマニュアル(案)に基づき、研修実施、州での事例、給水施設維持管理のモニタリングを定期的に実施する。
3-5
国営水公社と研修センターはモニタリング結果を分析し、州水公社に対して研修実施実績と他州での事例等の分析結果を共有する。
3-6
国営水公社はモニタリングデータを情報センターで管理する。
3-7
国営水公社はモニタリング結果をもとにモニタリングマニュアルの最終版を作成する。
4-1
研修センターは成果1 、2、3をふまえて州水公社で活用される人材育成マニュアルを作成する。
4-2
パイロット州以外の州水公社は研修ユニットを設置する。
4-3
研修センターはパイロット州水公社の活動成果を他州の州水公社と共有するためのワークショップを開催し、人材育成マニュアルとモニタリングマニュアルを配布する。
4-4
パイロット州以外の各州水公社は州水公社研修実施計画を策定する。

投入

日本側投入

  • 総額約5.5億円
  • 専門家:計98人月程度
    研修管理/給水計画、井戸管理、給水施設管理(浄水・管網システム)、機械・電気/機材管理、データ管理/モニタリング、水質管理、コミュニティー啓発、組織管理の8名。
  • 機材:計2.3億円程度
    国営水公社研修センター・各州水公社への研修用機材一式
  • 第三国研修(2回)

相手国側投入

  • カウンターパート(研修センター人員)の配置
  • 研修生旅費日当
  • 国営水公社新規研修センター建設費用
  • 州水公社研修センター建設費用
  • 研修用一般設備一式(ラボ機材、視聴覚室用PC、家具等)
  • 機材設置等工事費用(ワークショップ、水質研究所)
  • 日本人専門家執務室
  • 研修実施経費(ランニングコスト含む)