無償拡張工事現場に日本の施工管理を学ぶ水公社エンジニア

2013年11月29日

2013年11月3日〜7日、スーダン国カッサラ州基本行政サービス向上による復興支援プロジェクト(K-TOP)給水クラスターは、カッサラ州水公社のエンジニア3名を対象とし、施工管理研修を行った。この研修は、同じカッサラ州内で活動している、日本政府の無償資金協力事業に協力を仰ぎ、同事業で建設中のハトミヤ浄水場及び配水管敷設工事の現場において実施したものである。

カッサラ州には、技術協力事業であるK-TOPの他に、無償資金協力事業であるカッサラ市給水計画プロジェクトがある。後者の事業は、標高の高いタカ山に近いハトミヤ地区の水不足を解消することを目的として行われている。本工事は、まず新しく井戸を11ヵ所掘り、既存の井戸9ヵ所と合わせて20ヵ所の井戸から浄水場まで送水。約5200トンの貯水槽に原水を貯めて塩素滅菌装置で消毒した後、送水ポンプで地区に配水する、大規模な事業である。

同無償資金事業により、使用できる水量が大幅に増えることとなる。他方、現在カッサラ州で使用されている配水管は古いアスベスト管であり、将来的に水公社自身の手による配水管の更新工事が必要となる。そこで、K-TOP給水クラスターでは、実際に配水管の敷設工事を行っている無償資金事業の現場で、SWCエンジニアに日本の技術を学んでほしいと、本研修を企画した。

現場研修では、無償資金協力事業の施工監理担当の山崎さん、コントラクターの落合所長、高野さん、谷口さんから、先ず配管材料、施工方法、施工管理に関して説明を受けた。現場には、井戸の水を浄水場へ送る直径20センチのポリ塩化ビニル管の送水管、浄水場から塩素滅菌されて地区へ配水される直径50センチのダクタイル鋳鉄管の配水管が置かれ、配管材料を切断して長さを調整するための方法、配管接続部をディスクグラインダーにより平滑に仕上げることを学んだ。配管の材料品質に関して、50年以上は使えるものと聞き、研修を受けた水公社のエンジニアは皆驚くと同時に、安心した表情となった。また、配管の接続の良否を確認するために、接続部にゲージを差し込み確認する方法を初めて体験した。

配管敷設後、砂を用いて埋戻し作業がはじまった。30センチほどに敷均し振動転圧機で丁寧に締固めが行われた。バッククホーによるトレンチ掘削方法に関して、白線を路上に示しそれに沿って直線状に掘削する方法を知り、またレベル測量による掘削深さの確認、延長50メートルごとに行うQC(Quality Control)チェックシートによる配管の敷設位置の出来形管理、100メートルに1ヵ所行う写真撮影による施工管理を具体的に学んだ。

安全面では、作業時はサンダル履きの禁止とヘルメットの着用が厳守され、工事区域に立ち入り禁止のロープが張られて子供達が近づかないよう配慮されていることも学んだ。浄水場の建設現場では、貯水槽の鉄筋やコンクリート型枠の作業が20名を超える作業員で実施されており、作業状況を高野さんから丁寧に説明を受けた。初めて見る巨大な貯水槽に、エンジニアは皆、興味深く見入っていた。

座学研修では、施工計画について学んだ。土工事(トレンチ掘削、埋戻し)の方法と配管の敷設に関する施工計画書をアラビア語に翻訳し、エンジニア用のテキストとして業務で生かせるようにした。配管の直径によって定められた掘削の幅、掘削の深さの基準に従い管理するべきことを学んだ。また、水公社のエンジ二アからは、積極的な質問がなされ、無償資金事業チームからの丁寧な回答に皆満足そうに研修を終えた。

最後に、彼らから、引き続き施工中の現場を見学し学びたいとの申し出がなされ、施工監理の山崎さん、現場の落合所長からいつでも現場でお待ちしておりますとのお言葉を頂いた。次の研修を皆楽しみにしている。

日陰の少ない30度を超える炎天下での作業は過酷である。この工事は来年の7月まで続く。ハトミヤ地区の住民は水を心待ちにしている。今後も技プロK-TOPと無償資金協力との連携による現場研修を行い、これから水公社が進めようとしている古いアスベスト管の更新事業において、学んだ日本の技術が役立つことを願っている。

(報告者:坂本浩之専門家、管網管理/施工監理)

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直径50センチの配水管と直径20センチの送水管の敷設作業を見学するエンジニア

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谷口さんから施工計画について説明を受けるエンジニア

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ゲージを用いて接続の良否を確認するエンジニア

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新設された井戸施設構造について高野さんから説明を受けるエンジニア