井戸があっても・・・ダルフールの水事情

2016年2月29日

給水チームでは、パイロット事業の対象とする井戸の現状調査が進められています。といっても、我々日本人団員は安全上の制約から現場を訪れることはできず、カウンターパートの話や送られてくる写真から現場を想像するしかありません。これはもう、JICAきっての妄想プロジェクトとしかいいようがありません(それはそれで楽しいのですが)。先日、南ダルフールからこんな写真が届きました。水汲みをする少女たちの隣で美味しそうに水を飲むロバたち。家畜と人間の平等を絵にしたような平和で牧歌的な写真です。ただ、衛生的には問題です。足元もぬかるみ状態です。ダルフールでは、井戸からくみ上げた水を高架水槽に溜め、その水を写真のような水桶に流して使うことが珍しくありません。家畜が入らないようにするフェンスもないため、このような状況になります。SMAPのパイロット事業では、井戸改修と同時に人間用と家畜用の給水場を分けて整備する方針です。ただ、この少女たち、その重要性を感じてくれるのだろうかと思うと、少し心配です。衛生教育もやるのですが、苦労しそうです。

【画像】

南ダルフール州ウンベラーダコミュニティの給水場の様子。