地下水資源開発/物理探査研修の実施

2016年10月31日

首都ハルツームにある連邦政府機関DWST(飲料水・衛生局研修センター)は、スーダン全体の給水に係る訓練を提供する唯一の研修機関です。2016年10月に、このDWSTで「地下水資源開発/物理探査研修の実施」が実施されました。この研修の目的は「限りある地下水資源を高度な装置を使用してどのように探査するか」を学ぶことで、SMAPIIプロジェクトで計画される井戸建設の掘削地点をSWC自ら選定するため、この研修で習得する技術は非常に重要です。
研修には、ダルフール各州から水資源開発や井戸掘削の技術者14名が参加しました。治安上の理由で日本人専門家が現場に訪れることができないSMAPIIプロジェクトでは、彼らの技術習熟度合いが井戸建設の成否を左右すると言っても過言ではありません。そのため非常に熱の入った研修となりました。
ハルツーム郊外のフィールド訓練では、気温45度を超える炎天下での厳しい作業となりましたが、積極的に学ぼうとする研修生の姿が印象的でした。同研修では、カッサラ州水公社から、JICAの支援で育成された技術者を講師に迎えました。このような各州が有する人材や技術をその他の州へ移転する取り組みも、持続性を担保するために重要と考えます。
研修を終えてダルフールに戻った研修生たちは、習得した技術を他の職員に広く知らせるため、プレゼンを実施しました。このプレゼンには多くの聴衆が集まり、特に北ダルフールでは約30名近い職員が自主的に参加し、この分野への関心と期待の高さが伺えました。
一方で、この技術は一朝一夕で習得できる簡単なものではありません。SMAPIIプロジェクトでは、今後各SWCが行う実地訓練に際して、技術スタッフと講師を派遣することで継続な支援を実施することを計画しています。

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フィールドでの訓練状況(ハルツーム市郊外)

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北ダルフール州SWCにおける研修実施報告会